2024.12.20
INTERVIEWS & COLUMNS

CEO 小西から年末のご挨拶 

HOME > NEWS > CEO 小西から年末のご挨拶 
Kyoto-Fusioneering-CEO-Satoshi-Konishi

京都フュージョニアリングを支えてくださっている皆様へ 

2024年も残すところあとわずかとなりました。激動の世の中にあって、当社がフュージョンエネルギーの早期実現に向けて力強く前進でき、独創的な貢献ができたことは、ひとえに、顧客、投資家、サプライヤ、パートナーの皆様、そして手前味噌ながら、当社の素晴らしいメンバーによる支えがあったからこその結果です。心より感謝申し上げます。 

さらなる未来に向け、ここで少し、今年の世界におけるフュージョンを取り巻く動きと、当社の経営の進捗について振り返りたいと思います。 

国際的なフュージョンの位置づけの高まり 

フュージョンエネルギー開発の世界的な波はさらに目まぐるしく変貌を続け、注目すべき戦略の変化を示唆しています。今年は、イタリアで開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)で発表されたコミュニケで、フュージョンエネルギーに関するG7ワーキンググループの設立と、規制に対する一貫したアプローチへの取り組みが盛り込まれました。時代は、私企業による技術開発の台頭、官民協力体制、国家間競争を経て、さらに複雑な合従連衡による国際的なフュージョン産業の構築のフェーズに入ってきています。また日本においても、3月にフュージョンエネルギー産業協議会(J-Fusion)が発足し、4月の米国政府との共同声明を通じた核融合研究協力の民間への拡大、6月の「統合イノベーション戦略」における2030年代発電実証の明記など、昨年に発表されたフュージョンエネルギー・イノベーション戦略を皮切りとした動きはさらに新たな推進策へと向かっています。 

日本を含む世界中のフュージョン関連企業・研究機関においても、ここでは書き切れないほど数多くの新たな取り組み・連携と技術の進化が生まれました。来年も、フュージョンエネルギーの実現に向けた世界の動きは拡大を続けると同時に、より複雑で期待が高まるものになると確信しています。 

当社の技術開発は「統合(インテグレーション)」のステージへ 

今年、当社は1月に発表したジャイロトロンシステムで世界初となる1基で5周波数の発振実証に始まり、技術開発に関わる大きなマイルストーンを複数達成することができました。 

昨年末から京都の自社研究開発拠点で建設が進んでいる模擬発電プラント「UNITY-1」も、大きな部品や装置が搬入され、いよいよ完成にむけて大詰めを迎えています。また「UNITY-2」プロジェクトは5月に設立したCNL(カナダ原子力研究所)とのジョイントベンチャー「Fusion Fuel Cycles Inc.」にまで発展しました。単にフュージョン燃料サイクルに関わる技術開発だけでなく、その事業化としても斬新な試みです。 
さらにこれから当社は、難度の高い技術開発だけにとどまらず、要素技術やシステムを組み合わせていく技術の統合(インテグレーション)という重要なビジネス局面に入ってきています。熱サイクルシステムを実証する「UNITY-1」と燃料サイクルシステムを実証する「UNITY-2」における当社の技術実証は、これまでにないフュージョンエネルギーの統合技術開発プラットフォームとして着実に取り組んでいます。 

11月に発表された、当社がプロジェクトリーダーを務める「Fusion by Advanced Superconducting Tokamak (FAST)」。これは実際にD-T(重水素―トリチウム)の核融合反応を含めてフュージョンプラントに必要な、エネルギー変換技術や完結したフュージョン燃料サイクルなどを含むすべての技術を統合していく、世界でも最初の施設となる可能性を持つ計画で、2030年代の発電技術実証を目指しています。我が国と世界の指導的なプラズマ研究者とともに、当社の出資企業とも連携したプロジェクトです。 

国と産学の壁を越えたコラボレーション 

「FAST」は、国内外の最先端の大学や研究機関に所属する研究者や、国内産業パートナー、国際連携パートナーとの共同プロジェクトですが、本プロジェクトに限らず、フュージョンは国際的なパートナーシップなくしては実現できません。 

当社も今年に入り、新たにドイツのカールスルーエ工科大学(KIT)、筑波大学と協定を結んだほか、イギリスの英国原子力公社(UKAEA)との新たな包括協定の締結をはじめ、すでに協力関係にある企業・研究機関との取り組みも深化しています。来年以降も引き続き、国そして企業・アカデミアの壁を越えて、多くの多様なパートナーと共に取り組んでまいります。 

強固な経営基盤のもと、メンバーの情熱とともに事業を推進 

今年は企業経営面でも大きく前進できた一年となりました。シリーズC(エクステンション)ラウンドにおいては、不動産、金融、メーカー、商社そして海外からもご出資いただき、計26.3億円の資金調達を達成しました。 

昨年10月時点の105名から今年10月には138名*へと増加し、国内外で優秀な人材が多数加わりました。欧州子会社の設立が象徴するように、グローバル展開を加速させるとともに、多様な人材とともに成長を目指す基盤を整えることができたと実感しています。 
当社のメンバーについて少しエピソードをご共有しますと、冷静で粘り強い研究開発と挑戦を積み重ねている姿は日々心強いと思っていましたが、今年10月に行った社内イベント「Culture Day」では、国内外の当社拠点で、社員一人ひとりが真剣に企業文化について熱い議論を交わしていました。その様子を見て、フュージョンを通じてサステナブルな世界を実現するというビジョンに共感した多くのメンバーが国内外から参画し、とうとう150名近い人数までに成長していることが本当に嬉しく、頼もしいと思っています。 
*派遣・業務委託・海外子会社含む 


来年以降も、皆さまとフュージョンエネルギーの実現に向けて、全社一丸となって取り組むとともに、そのために欠かせない技術を生み出す会社へと邁進いたします。引き続きご支援のほど、お願い申し上げます。 

そして最後ではありますが、この会社を支え、ともに歩んでいただける皆さまが、健やかに、楽しく、そしてワクワクする時を重ねられるよう、2025年がすべての人たちにとって希望に満ちた年となることを切に願っております。 

京都フュージョニアリング 
代表取締役CEO兼Chief Fusioneer  小西 哲之 

CATEOGRY
ARCHIVE
採用情報はこちらから
JOIN US
このWEBサイトはクッキーを使用しています。ブラウザの設定によりクッキーの機能を変更することもできます。詳細はプライバシーポリシーをご覧ください。