米国でUNITY-3を建設、京都のUNITY-1を米国研究者へ 京都フュージョニアリングとORNLの官民連携が日米共同声明で言及
燃料サイクル・ブランケット開発での連携が、日米のフュージョンエネルギー協力の一つとして示される
フュージョンエネルギーの実現に不可欠な基盤技術を開発する京都フュージョニアリング株式会社(以下、KF)と、米国エネルギー省(DOE)のオークリッジ国立研究所(以下、ORNL)による官民連携が、2026年10月4日に発表された「日米技術繁栄ディールに関する共同声明」(以下、本声明)において、日米のフュージョンエネルギー分野における協力の一つとして言及されました。
本声明は、京都で開催されたSTSフォーラムの機会に行われた、古川俊治 内閣府特命担当大臣(科学技術政策)と、マイケル・クラツィオス 米国大統領府科学技術政策局長兼大統領科学技術顧問の会談を受けて発表されたものです。
■本声明における言及(該当箇所)
原文:“U.S.-Japan fusion cooperation has strengthened numerous areas of fusion science and technology, including negative-triangularity research at the DIII-D National Fusion Facility, the largest operating tokamak in the United States, and JT-60SA, which is the world’s largest tokamak and starts plasma heating operation in 2026 in Japan. A separate public-private partnership between DOE’s Oak Ridge National Lab (ORNL) and Japan’s Kyoto Fusioneering, focused on fusion fuel-cycle and blanket development, is supporting the creation of a world-class test facility, UNITY-3, at ORNL in Tennessee and will provide U.S. researchers with access to the UNITY-1 facility in Kyoto, Japan.”
当社仮訳:「日米のフュージョン協力は、米国最大の稼働中のトカマクであるDIII-D国立フュージョン施設における負三角形度研究や、世界最大のトカマクであり2026年に日本でプラズマ加熱運転を開始するJT-60SAを含め、フュージョンの科学技術の多くの分野を強化してきた。これとは別に、燃料サイクルとブランケットの開発に焦点を当てた、DOEのオークリッジ国立研究所(ORNL)と日本の京都フュージョニアリングによる官民連携は、テネシー州のORNLにおける世界水準の試験施設『UNITY-3』の建設を後押ししており、また米国の研究者に京都のUNITY-1施設へのアクセスを提供する。」
出典:https://www8.cao.go.jp/cstp/kokusaiteki/nichibei/20261005.html
■言及された取り組み
UNITY-1(京都府久御山町)
KFが京都府久御山町で試験を進める、フュージョンブランケット・熱サイクルシステムの統合試験プラントです。エネルギーの取り出しから発電までを視野に、液体金属を用いた増殖ブランケットの熱流動や、水素同位体の回収、高温での熱の取り出しなどを、フュージョン反応を伴わない条件で検証しています。本声明では、米国の研究者がUNITY-1を利用できるようになることが示されました。
UNITY-3(米国テネシー州)
ORNLに建設する、増殖ブランケットを実証する世界初の施設です。ORNLに建設する、増殖ブランケットの性能を実証するための試験施設です。加速器を用いてD-Tフュージョン反応と同じ中性子を発生させ、実機を模したブランケットでの中性子のふるまいとトリチウムの生成量を測定することで、将来のフュージョンプラントに欠かせない増殖ブランケット技術を検証します。2026年8月にDOE・ORNLとの官民連携として発表し、KFは米国本社をテネシー州に移して、施設の建設と運用に取り組んでいます。
なお本声明では、DIII-D国立フュージョン施設における負三角形度研究にも言及されています。KFは同施設において、負三角形度配位に対応した新たなダイバータの導入に向けた協業を進めており、詳細は別途お知らせします。
■京都フュージョニアリング 代表取締役会長CEO 小西哲之
日米両政府が技術繁栄ディールのもとで協力の進展を確認するなかで、ORNLとの官民連携に言及いただきました。米国のUNITY-3と京都のUNITY-1という日米の試験施設を結び、両国の研究者が互いの設備を活用できる環境をつくることで、フュージョンエネルギーの実用化に向けた工学的な課題の解決を進めていきます。今後もDOE・ORNLをはじめとする日米のパートナーとともに、着実に開発に取り組んでまいります。
■京都フュージョニアリング株式会社について
京都フュージョニアリングは、2019年設立の日本発のフュージョンエネルギープラントエンジニアリング企業です。英国、米国、ドイツなど海外にもグループ拠点を展開し、国内外の研究機関や企業と連携しながら、フュージョンエネルギーの社会実装に向けた技術開発を進めています。同社は、プラズマ加熱に用いるジャイロトロンシステム、熱とトリチウムを取り出すブランケット技術、熱サイクル・燃料サイクルシステムなど、フュージョンエネルギープラントの実現に不可欠な基盤を開発し、フュージョン商用化を統合的に手掛ける企業です。