皆様、こんにちは。
京都フュージョニアリングの広報担当です。
ディープテックのスタートアップ企業である当社事業において、技術開発の重要性は当然ながら、民間企業として経営していく上では営業活動も欠かせない要素です。
これらをけん引しているのがBusiness Development and Operations Division(以下、Bizチーム)で、一般的には営業部門のような位置づけになるのですが、当社の場合はそれにとどまらないと言います。
それでは一体何をしているのか?
今回のブログでは、顧客、調達先、そして当社の“三方良し”を実現するBizチームの取り組みを紹介します。
エンジニアが持つ最大限の力を引き出す“何でも屋”
Q. Bizチームの業務について教えてください。
野添:一般的に営業部門というと顧客に対してモノやサービスを売るようなシーンがイメージしやすいと思いますが、当社の場合はR&DのサポートやPM(プロジェクトマネジメント)、SCM(サプライチェーンマネジメント)など領域が多岐にわたります。開発や法務・経理等の専門スキルが求められる領域以外をカバーしていて、ある意味では“何でも屋”の立ち位置だと認識しています。
川本:R&Dをしながら同時に商業機会を探るという動きは、ディープテックのスタートアップならではだと思います。完成したモノやサービスを売るのとは違いますので、前職のソフトウェアのセールス部門で培った経験とはまた違ったスキルが必要になります。
私はこの春に入社したのですが、最初はここまでの広い業務領域に携わるとは思ってもいませんでした。
坂口:営業の場合、顧客側に目を向けているイメージもあるかと思いますが、当社の場合はサプライチェーン側とのやり取りも多いです。顧客、調達先、そして私たちとの“三方良し”を実現するために、各所との円滑なコミュニケーションを行うことが求められます。
私はジャイロトロンシステムの部門を担当していて、特にプロジェクトマネジメントやサプライチェーンマネジメントに携わる機会が多いですね。ジャイロトロンは何十もの調達先があり、必要なものを円滑かつ適切に調達できるよう丁寧なコミュニ―ケーションを心掛けています。
川本:幅広い業務に関わるなかでも、エンジニアメンバーが最大限力を発揮できるように、様々なことをアレンジしていくのも重要な役割だと思います。特にR&Dを加速させるために何ができるのかは常に考えています。
野添:エンジニアメンバーは技術開発に意識を向けている一方、Bizチームはスピードや効率、そしてコストなどへの意識が強いです。そもそも調達先が適当なのか、他のやり方がないのかなど、エンジニアメンバーのリソースが最大限効率化される環境や方法を常に模索しながら、エンジニアメンバーと議論したり、選択肢を提示したりしていますね。
坂口:プロジェクトマネジメントにおいても同様に、エンジニアメンバーが試験や検証に集中できるように、各ステークホルダーとの調整をBizチームがリードして行っています。例えばジャイロトロンシステムは調達先が多いので、それぞれとの細かなやり取りも多々発生します。シンプルに見ると発注、受注、納品の関係となりますが、その間の調整や交渉はかなりの量になるので、私がリードしながらエンジニアメンバーと連携し、効率よく進めるよう努めています。
Q. 担当する技術部門は決まっているのですか?
野添:大きくはジャイロトロンシステム部門とプラントテック(技術)部門の2つで担当が分かれています。当社事業は大きくジャイロトロンシステム、フュージョン熱サイクルシステム、フュージョン燃料サイクルシステムの3つの領域をカバーしており、熱サイクル、燃料サイクルはプラントテック部門が担っています。坂口はジャイロトロンシステムを、川本と私はプラントテックを主に担当しています。
坂口:ジャイロトロンシステムは商品としてすでに形になっているので、性能向上をはじめとするR&Dの要素はありつつも、モノを作って納品していくフェーズにあります。すでに受注を複数獲得しているので、性能が保証されているものをきっちり納品していくような比較的メーカーに近い動きが特徴です。
購買、物流、在庫管理、輸出などサプライチェーンに関わる業務をBizチームがリードしているのですが、大企業だとそれぞれに専門部隊がいたりしますし、全体を束ねるような部門があったりもします。将来的にはそうなるかもしれませんが、現在はその役割をBizチームが担い、調達先や顧客、そしてコーポレート部門などの社内を巻き込みながら進めています。今後は納品後のメンテナンスやトラブル対応などの体制構築も必要になってきます。
川本:プラントテックは、R&Dを進めながら開発ができ次第、あるいは顧客のニーズと合致でき次第、順次市場に製品やサービスを投入しています。今はフュージョン熱サイクルシステム、フュージョン燃料サイクルシステム、ブランケットの構造材など素材の開発が中心です。基本的に当社はファブレスなので、国内外の学術機関やメーカーと連携しながら、技術開発をするケースがほとんどです。
野添:プラントテックにおいては、例えば現在建設を進めている統合模擬試験プラントのUNITY-1やUNITY-2が顧客のニーズに到達することがビジネスへとつながります。売り物の仕込みをしているような形ですね。
一方で、トップダウンで顧客がしたいことを実現するようなエンジニアリングサービスに近いこともしていて、顧客の設計業務をサポートしたり、規模がまだ小さくリソースを避けない顧客が資金調達するための手助けをしたりして、顧客のニーズを早い段階から捕らえる動きも行っています。
川本:多くの顧客が核融合反応そのものを起こすことに注力し、プラズマ物理の研究者を抱えているのですが、実際に核融合反応によるエネルギーを利活用するためのシステムや、プラント設計に関わるような炉工学についてサポートを求めているところが多いです。ここは当社の強みでもある設計やエンジニアリングが活きる機会ですね。加えて、将来的に当社が販売していく商品が社会に受容されるために、システム全体の健全性を確保するための安全解析にも取り組んでいます。
「自分で判断ができる」ことを楽しめる人には最適な環境
Q. KFの働く環境についてはどうでしょうか?
野添:働く時間が柔軟なのはありがたいですね。ワークライフバランスは整っていて、家族との時間もきちんと取れています。時差のあるアメリカとのやり取りが多くあるので、日本時間で見ている人からは「いつ寝てるの?」と言われることもありますが、特にそんなことはなく、当然ですがしっかり寝ていますよ。笑
坂口:オンオフがしっかりできている点は前職とも同様ですが、KFだと勤務時間内の仕事の密度が違うというか、常に頭をフル回転させている状況です。勤務後には疲れもありますが、長時間だらだらとするよりはメリハリがあり、効率よく働けていると思います。
川本:私の場合、1日の中で多種多様な業務が発生するので、1週間を振り返るとこんなこともやっていたのかと驚くことは多いです。ただ、働き方がフレキシブルで、場所にも縛られないので、自分でコントロールしながら進めることはできています。未経験の仕事についても、幸いKFにはそれぞれの専門家がいるので、自ら貪欲にコミュニケーションを取れば、学びながら取り組むことができます。
野添:柔軟な働き方といえば、ワーケーションをしているメンバーもいますね。直近では沖縄に行っているメンバーもいました。あとは自己啓発援助規程というものがあり、スキルアップのために必要なことであれば年間で最大20万円までの補助が出る福利厚生があります。学校に通ったり、資格を取得したりと色々なことに使えるので、ありがたい制度です。
Q. Bizチームの雰囲気や仕事の進め方はどんな感じですか?
川本:最初の印象はゴリゴリの“戦闘集団”というものでした。メンバーの経験値の高さや日々の業務のボリュームやスピード感に驚いたことを覚えています。
Bizチームはいい意味で役割が決められておらず、業務範囲にも制限がないので、自分から選択肢を揃え、そのなかで決断していかなければなりません。そうしたことに日々取り組んでいると、おのずとそんな雰囲気になるのかもしれませんね。でも誤解を招かないようにしたいのですが、殺伐としているわけではなく、それぞれがやるべきことに情熱を注いでいるということは伝えておきます。笑
坂口:会社の規模拡大に伴い、開発やコーポレート部門などは徐々に役割分担が明確になり、仕組みを作りつつあるフェーズになってきています。一方、Bizチームは十数名の組織なので、そこはまだ緩やかで、何でも屋の側面が強いです。自分がやりたいことを見つけて突き進むような方にはやりがいも張り合いもあるのではないでしょうか。
野添:今のBizチームの動き方は商社に似ていることもあり、私は前職の経験を活かすことができました。実際に商社出身のメンバーもいるので、そうした経験がある人は馴染みやすいかもしれません。もちろん技術やIPなど専門的な部分は学んでいかなければなりませんが、仕事の進め方などはすぐに適応できると思います。
坂口:逆にエンジニアのバックグラウンドで開発のマネジメントを担っていた私は、商社的な仕事の仕方になじみがなかったので、最初は苦労しましたね。笑
顧客とコミュニケーションを取る経験はあったので、そこは活かせていると思います。
Q. どんな人がBizチームにマッチすると思いますか?
野添:私の場合は、採用の過程でモノでもサービスでもドアノックから売り切ったことがあるかどうかを聞くようにしています。Bizチームの仕事には自分で判断して進めなければいけないシーンが多々あるので、取引の規模によらず何かを実行しきった経験が活きると思っています。
坂口:現在は事業開発やプロジェクトマネジメントに関わる人材を特に歓迎しています。それらも含め、いずれのポジションでも判断することに苦手意識がない人の方がマッチすると思います。やはり判断をするときはどうしても気持ちに負荷がかかりますよね。スタートアップ企業ということも相まって、そうした判断の機会が多いので、逆にどんどん自分で進めたいという人にはやりがいがあると思います。
野添:そういった意味では、きっちりしたルールがあるなかで仕事をしたい人には合わないかもしれませんね。もちろんオペレーション面ではルールに則ることが重要になる側面もあります。ただ、当社はスタートアップであり、実際に自分がやりたいことをやれる環境があるので、それを楽しめる人には最適な場所だと思います。
川本:例えばBizチームを管掌するCOOの世古は視野が広く、常に当社にとってのチャンスを探しています。世界中の情報を集めて、咀嚼して、社内で共有してくれるのですが、それがとても役立っていると同時に、いつもどうやっているのだろうと不思議に思っています。世古に限らず、他メンバーも視野が広い人が多い印象ですね。Bizチームは戦国武将のように戦略を立てて実行していくので、そのためにも広い視野を持ち、色々な選択肢を用意できることが強みになると思います。
—
今回は当社のチームを紹介する「Meet Our Team」の第1回目。Bizチームの業務や雰囲気が少しでも伝わったようでしたら嬉しいです。今後も、それぞれのチームがどんなことをしているのか紹介していきたいと思います。
それでは次回のゴリ文シリーズをご期待ください!
THE FUSION ERA:https://kyotofusioneering.com/news_category/blog
京都フュージョニアリングでは、エネルギーの未来を一緒に切り開くメンバーを募集しています。
募集内容はこちらのページをご覧ください。
公式SNSでも情報発信をしています。
X https://twitter.com/Kyotofusioneer
Facebook https://www.facebook.com/KyotoFusioneering/
LinkedIn https://jp.linkedin.com/company/kyoto-fusioneering