PRESS RELEASE
2022.06.30

京都フュージョニアリング執行役員の坂本慶司、米国電気電子学会(IEEE)からJohn R.Pierce Awardを受賞

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京都フュージョニアリング株式会社(以下「当社」)は、当社執行役員である坂本慶司(さかもと けいし)が、世界最大の学術研究団体である米国電気電子学会より同業界へ最も貢献した人物に対し授与されるJohn R.Pierce Awardを受賞したことをお知らせします。

坂本は、1980年代から日本原子力研究開発機構(JAERI/JAEA)、量子科学技術研究開発機構(QST)にてプラズマ加熱装置である高出力ジャイロトロン(*)の開発に従事し、今日までジャイロトロン開発の第一人者として業界をけん引してきました。中性粒子入射装置など他のプラズマ加熱方法を優位とする見方が多かった時代から、試行錯誤と設計変更を重ね、ジャイロトロンの性能を大幅に向上。有力な加熱方法としての認知拡大に貢献しました。2021年に当社に参画して以降は、研究機関での開発に加えて民間企業の立場でジャイロトロン産業の構築に従事しています。

本受賞は、坂本および開発チームが過去数十年にわたりジャイロトロンの開発を続けてきたことが評価された結果であり、核融合技術が産業の発展に寄与した一つの証でもあります。

【坂本の受賞コメント】
この度は、IEEE J.Rピアース賞を受賞し身の引き締まる思いです。今回の受賞は、長年にわたって日本原子力研究開発機構(JAERI/JAEA)、量子科学技術研究所(QST)において、同僚とともに、東芝、キャノン電子管デバイス、JASTEC、京セラをはじめとする産業界の協力を得て進めてきた研究開発成果が世界に認められたものです。現在京都フュージョニアリングで進めているジャイロトロン技術の普及活動を通じて、今後も日本発の技術発展に微力を尽くす所存です。

【IEEE・John. R Pierce Award 概要】

米国電気電子学会(Institute of Electrical and Electronics Engineers)は1963年にアメリカ電気学会と無線学会の合併により発足した世界最大の学術研究団体であり、160ヵ国・41万人の会員を有します。
John. R Pierce AwardはIEEEの電子管委員会により、同業界へ最も貢献した人物に対し、年に一度授与される賞です。

【坂本慶司 略歴】
九州大学原子力工学科修士を卒業後、QSTにて長年ITER用ジャイロトロンの設計開発を主導。1993年に九州大学にて博士取得。筑波大学・福井大学・核融合科学研究所教授、プラズマ・核融合学会理事、京都大学特任教授などを歴任。2021年4月より、当社執行役員として、参画。 

*ジャイロトロンについて
ジャイロトロンとは、高出力ミリ波で1MW級の連続出力が可能な大型真空管で、ジャイロトロン本体、超伝導ソレノイドコイル(SCM)、DC電源等で構成されています。
ジャイロトロン内部の空洞共振器でミリ波を発振し、内部ミラーで反射させて真空窓から外部に出力し、導波管を通じて核融合炉に入射します。

用途としては、核融合反応に必要な1億度を超える温度までのプラズマ加熱、及び安定的なプラズマ制御のために使われます。また他産業への転用も研究されており、ジャイロトロンから発振される電磁波を用いた地熱発電のための深層までの掘削、医療目的での物質研究などが行われています。

日本では核融合プラズマ研究の一環として、JAERIを中心に1980年代から開発が進められましたが、当初は出力効率が低く(20-30%)、また出力も不十分であるため(0.2MW以下)有力なプラズマ加熱器とは見なされていませんでした。

その後、ジャイロトロン内部のコレクタにて消費電気の一部を吸収するなどの改良がなされ、1994年には50%の効率、0.5MW x 3秒の出力を達成。さらに、ミリ波の出口となる真空窓に、熱伝導率が極めて高いダイヤモンドを使うことにより、より長時間の高出力が可能となりました。

これら開発の成果もあり、1999年当時JAERIが開発していた大型トカマク炉JT-60Uにジャイロトロン4機が納入されたほか、2000年代以降ITER向けの開発・製作も進められ、2021年にはQSTが受注した8本全てのジャイロトロンの製作が完了し、うち4本が既にITERに納入されました。

Reference

  • K. Sakamoto et al.  “Major Improvement of Gyrotron Efficiency with Beam Energy Recovery.”  Physical Reciew Letters, vol. 73, no. 26, 1994, pp. 3532-3535. 
  • K. Sakamoto et al.  “High power 170 GHz gyrotron with synthetic diamond window .”  Reviews of Scientific Instruments, vol. 70, no. 1, 1999, pp. 208-212. 
  • K. Sakamoto et al. “Achievement of robust high-efficiency 1MW oscillation in the hard-self-excitation region by a 170 GHz continuous-wave gyrotron .”  Nature Physics, vol 3, 2007, pp.411-414.  
  • K. Sakamoto et al. “Progress of high power 170 GHz gyrotron in JAEA.”  Nucl. Fusion, vol 49, no. 9, 2007, pp.095019_1-095019_6.  
  • K. Sakamoto et al. “Development of 170 and 110 GHz gyrotrons for fusion devices”  Nucl. Fusion, vol 43, no. 7, 2003, pp.729-737.  

【当社について】
京都フュージョニアリング株式会社は、京都大学の長年に亘る核融合研究の成果に基づき2019年に設立された、核融合特殊プラント機器の開発に特化したエンジニアリング企業です。プラズマ加熱装置、熱取り出しブランケット、高性能熱交換器、水素同位体ポンプなど、先端核融合工学分野において世界有数の技術力を有しており、英国原子力公社を始め全世界の核融合研究開発機関・企業を顧客に持ちます。
日本のものづくり力を結集し、革新的なエンジニアリングソリューションを世界に提供することで、人類に究極のクリーンエネルギーを提供するとともに、新たな世界市場の創出を目指します。

【概要】
会社名   京都フュージョニアリング株式会社
設立    2019年10月
事業内容  核融合炉関連技術、装置の研究開発、製作
代表者   代表取締役 長尾 昂(ながお たか)
社員数           45名 (派遣・業務委託・英国子会社含む)
所在地   東京都千代田区大手町(東京オフィス)
      京都府宇治市五ケ庄(共同研究拠点・京都大学宇治キャンパス内)
      英国バークシャー州レディング(英国子会社オフィス)
HP       https://kyotofusioneering.com/
採用ページ  https://kyotofusioneering.com/joinus

【お問い合わせ先】
京都フュージョニアリング株式会社 広報担当
東京オフィス:〒100-0004   東京都千代田区大手町1丁目6番地1 大手町ビル6階
E-mail:  media@kyotofusioneering.com
Twitter: https://twitter.com/kyotofusioneer

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