2025.04.22
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THE FUSION ERA – FFCを支える2人にインタビュー

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皆さま、こんにちは。
京都フュージョニアリングの広報担当です。

2024年5月に、当社とカナダ原子力研究所(CNL)のジョイントベンチャーとして誕生したFusion Fuel Cycles Inc.(FFC)は、2025年2月に開催されたFusionXInvest:Globalに参加しました。

世界中のフュージョン関連企業や投資家をつなぐこのイベントでは、FFCが取り組んでいる持続的なフュージョンエネルギー社会を実現するためには欠かせない「フュージョン燃料サイクルシステム」を実証する統合試験プラント「UNITY-2」の進捗を披露し、フュージョンエネルギーの実用化の鍵を握る存在として注目を集めました。

今回のブログでは、FFCの活動を支えるTracy Ma(Corporate Development and Strategic Initiatives)とMatthew(Matt)Cloutier(Head of Business Operation兼当社のBusiness Advisor)にインタビューを行い、FFCの活動について聞きました。


お二人がFFCで担当している業務について教えてください。

Matt:
私とTracyは、2024年5月のFFC設立以来、コーポレート機能を中心に整備しています。UNITY-2に関する資金調達・財務管理をはじめ、広報、マーケティング、人事など、会社として必要な基盤をイチから整備しています。

これほど多岐にわたる業務を、どのようにこなしているのですか?

Tracy
私たちのチームはまだ少数で運営しているので、メンバー同士の連携を大切にしています。また、FFC社内だけでなく、CNLとKFの経験豊富なメンバーとも密に連携して、必要な仕組みを整備しています。

国の研究機関であるCNLと、民間企業であるKFという異なる視点を持つ両社から得られるサポートは、FFCの基盤を構築するうえで大きな助けとなっています。

イチから会社の基盤を整えるうえで、どのような課題がありましたか?

Matt:
FFCのブランドをイチから築くことは、大きなチャレンジでした。社名の決定、ロゴのデザインや会社のビジュアルスタイルの策定、そしてウェブサイトの立ち上げなど、会社の顔となる部分から着手しました。

グローバルなフュージョンコミュニティにおける第一印象は、会社のイメージに大きな影響を与えるので非常に重要です。第一印象でFFCをいい意味で認知してもらえるように、一つひとつの意思決定を慎重に行いました。

大きなプレッシャーを感じることもありましたが、FFCのビジョンと目的意識が、プロジェクトを進めるうえでの原動力となっていました。

FFCのグッズ

FusionXInvest:Globalでは、FFCのブースに様々なグッズが並んでいました。どのように短期間で準備していったのでしょうか?

Tracy
FFCの認知度を高める上で、「ブランドの可視化」は非常に重要なポイントでした。そのため、初めてFFCがスポンサーとして参加したFusionXInvest:Globalでは、チラシやノート、バナー、そしてUNITY-1を含めたUNITY-2の模型など、さまざまなグッズを約1か月という非常にタイトなスケジュールの中で準備しました。

最初は本当に何もない状態からのスタートでしたので、技術的な内容をマーケティング資料に落とし込む作業や、カナダと日本のエンジニアチームと連携して模型を作る上で必要な3Dデータの用意など、イチから作り上げていく必要がありました。

しかし、CNLとKFのサポートに加え、FFCチーム全体で協力することによって、約1か月でここまで形にすることができました。

この経験を通して、プロジェクトをやりきるという強い意志とチームワークがあれば、どんな困難も乗り越えられるということを改めて実感しました。

左からIan Castillo(Co-CEO, FFC)、野添(Co-CEO, FFC)、Tracy

これまでの取り組みを通じて得た学びや気づきはありましたか?

Matt:
FFCの基盤を築く経験を通じて、アントレプレナーシップ(起業家精神)にも触れることができたと思っています。特に、ウェブサイトの立ち上げはFFCにとって、対外発信に関する初の本格的な投資であり、限られた予算の中で「どの部分を優先すべきか」、「ブランドやメッセージを長期的な目標とどう整合させるか」、「持続的に会社の成長を支えるために、いかに意思決定をしていくか」、といったFFCの企業そのものの戦略に対する理解を深める必要がありました。

CNLとKFのサポートを得ながら、スピード感をもってFFCという新しい組織を築き、UNITY-2を通じてフュージョンエネルギーのR&Dを加速させていく──そんな挑戦の場に立てていることは、本当に貴重な経験だと感じています。

Tracy
私自身も、まったく同じような経験をしました。コーポレート機能や仕組みの立ち上げは、まさに「やりながら学ぶ」日々の連続でした。

CNLやKFからの心強いサポートはありましたが、同時に私たち自身もスピード感と柔軟性が求められました。

FFCのような少数のスタートアップ環境では、一人ひとりが法務からコーポレートマネジメント、対外的なコミュニケーションまで、さまざまな役割を担います。接する相手も、投資家から技術系の関係者まで多岐にわたるので、相手に応じた適切な対応力も試されます。

業務の幅が多岐にわたるので大変なこともありますが、その分、得られるものも非常に大きいです。会社の異なる様々なレイヤーの構築に携わることで、私自身、飛躍的に成長できている実感があります。

これからFFCで実現したいことを教えてください。

Tracy
私はもともと環境工学の領域で働いており、カナダ国内で有害物質汚染地の浄化に取り組んでいました。しかし今は、クリーンかつ豊富なエネルギー源であるフュージョンエネルギーに携わることで、「そもそも汚染を生まない」未来づくりの一端を担っています。これを達成するためにも、政府からの資金を確保し、私たちの活動を支えると同時に、UNITY-2プロジェクトを前進させることに尽力していきたいです。

また、FFCが有する革新的な技術だけでなく、FFCで活躍している優れた人材や、卓越性とイノベーションを重んじる企業文化を、広く世界で認知されるようにしていきたいです。

マハトマ・ガンディーの言葉で「あなたがこの世で見たいと思う変化に、あなた自身がなりなさい」というものがありますが、私はまさにその想いで日々取り組んでいます。今後も、FFCの存在感を高めること、そしてフュージョンエネルギーの実現に貢献できるよう、変化を恐れず、情熱をもってチャレンジしていきたいと思います。

Matt
私の目標は大きく二つあります。ひとつは、FCCを通じて世界のフュージョンコミュニティと協力しながらイノベーションを興し、エネルギー課題を解決していくことです、

そしてもうひとつは、技術的なパートナーや投資家に限らず、より幅広い人々に向けて、FFCのミッションを伝えていくことです。フュージョンエネルギーの実現に向けて、誰もが何らかの形で関わることができると信じています。

「エネルギーの未来を変える」という大きな目標の達成に携われることに、非常にやりがいを感じています。FFCやKFでの活動を通じて、フュージョンエネルギー実現に向かって着実に前進していきたいです。

FFCチームとUNITY-2のモックアップ

FFCは、メンバー一人ひとりの活躍とチームワークによって、確実に成長を遂げています。当社も引き続きFFCと連携し、UNITY-2およびフュージョン燃料サイクルの技術開発を進めてまいります。

FFCの最新情報は、公式ウェブサイト(ffc.inc)やLinkedInをご覧ください。

また次回の「THE FUSION ERA」でお会いしましょう!

THE FUSION ERA:https://kyotofusioneering.com/news_category/blog


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