2025.06.18
NEWS RELEASE

京都フュージョニアリング、英国核融合研究の中核「カラム・キャンパス」に新拠点を開設 

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フュージョンプラントのエンジニアリングを手掛ける京都フュージョニアリング株式会社は、英国原子力公社(UKAEA)の本拠地であり、英国の核融合研究の中核を担う「カラム・キャンパス(Culham Campus)」に当社英国子会社Kyoto Fusioneering UK Ltd.の新拠点を開設しました。 

今回の新拠点は、これまで拠点を構えていたテムズ・バレー地域からの移転により開設されたものです。これまで数多くの受注案件や共同研究を通じて築いてきたUKAEAとの協力関係をさらに深化させるとともに、キャンパス内で活動する国内外のフュージョン関連企業との連携強化を目的としています。2021年10月の英国子会社設立以来、テムズ・バレーで積み上げてきた実績を礎に、今後は新拠点からフュージョンエネルギー実現に向けた確固たる事業基盤の構築を目指します。  

UKAEA主催のウェルカムセレモニーにて、UKAEA副CEOのティム・ベストウィック氏(正面左から3人目)とKFUKのメンバー、そして両者の従業員たち

■当社の英国での活動実績および日英間の核融合開発に関連する直近の動向 
当社はUKAEAと、2023年3月の連携協定を経て、2024年3月にフュージョンエネルギー技術の開発に向けた包括的な連携協定を締結しました。同月には、2021年にUKAEAから受注したプラズマ加熱システム「ジャイロトロンシステム」の現地への輸送を完了し、英国核融合研究に対する当社の貢献として、大きなマイルストーンとなりました。 
 
また2025年1月には、英国エネルギー安全保障・ネットゼロ省(DESNZ)および米国エネルギー省(DOE)の支援を受ける、英国のトカマク・エナジー社にもジャイロトロンシステムを輸送し、同社が開発を進める球状トカマク型核融合実験装置「ST40」に採用されました。 

さらにこのほかにも、KFUKはUKAEAが主導するブランケット試験プロジェクト「LIBRTI」やトリチウム関連施設「H3AT」において、現地大学や企業との連携を通じた取り組みの推進や必要部品の供給などを通じて貢献しています。 

フュージョンに関連する日英間の連携面では、2025年3月に、一般社団法人フュージョンエネルギー産業協議会(J-Fusion)を主幹とし、当社が企画を主導するかたちで、ロンドンの在英日本大使館にてイベント「UK-Japan Fusion Symposium」が開催されました。DESNZ気候担当大臣のKerry McCarthy氏、駐英国日本国大使の鈴木浩氏をはじめとする、日英両国の核融合関係者が一堂に会し、両国間の協力関係の進展を祝いました。当社は、日英両政府による協力体制の制度化に向けた動きを強く支持しています。また、直近では日本の文部科学省(MEXT)の関係者を当社の新拠点に迎え、日英両国における今後の国際連携や協力の可能性についても意見交換を行いました。 

■今回の新拠点開設に寄せてのコメント 
 
英国原子力公社(UKAEA) 副CEO ティム・ベストウィック 
「京都フュージョニアリングをカラム・キャンパスに迎えることができ、大変嬉しく思います。同社はすでに信頼できるパートナーであり、その参加は、フュージョンエネルギーを商業的に実現可能なエネルギー源とするためのイノベーション・エコシステムを、さらに活性化させることでしょう」 

京都フュージョニアリング株式会社 Co-Founder and CEO 小西 哲之 
「今回の移転は、当社のグローバル事業のさらなる飛躍に向けた重要な一歩です。カラム・キャンパスに拠点を構えることで、UKAEAや他のキープレイヤーとより緊密な連携が可能となり、新たなビジネス機会にも柔軟に対応できます。移転の実現にあたって多大な支援をいただいたUKAEAに、深く感謝申し上げます」 

当社は今後、カラム・キャンパス内での英国事業を段階的に拡大し、雇用創出や知見の共有を通じて、英国における核融合開発をさらに後押ししてまいります。 

KFUKのメンバーでの集合写真

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