皆様、こんにちは。
京都フュージョニアリング広報担当です。
2021年に英国原子力公社(UKAEA)から受注したプラズマ加熱システム「ジャイロトロン」の主要部分が、3月に無事イギリスへ到着しました。
このジャイロトロンはオックスフォードに位置するUKAEAのカラムキャンパスに設置された球状トカマク装置MAST Upgradeに使われます。(MAST Upgradeについてはこちらをご覧ください。)
このマイルストーンの達成は、当社にとっても一大イベントでした。
今回のブログではジャイロトロンが現地に届くまでの様子を、写真を交えながらご紹介します。
– 全社一丸となって達成したマイルストーン
ジャイロトロンを顧客に納品するまでには様々なプロセスがあります。
以下がおおよその行程です。
「発注」→「設計」→「部品製造」→「組立」→「調整工程・性能試験」→「輸送」→「SAT(Site acceptance test):試験」→「納品」
現在は、この「輸送」の段階です。
設計や試験といった技術領域は当然ながら、顧客への提案や、交渉・調整、実際に輸送するまでの手続きといったオペレーションもあり、部門の垣根を越えた連携が必要です。
当社の技術部門、ビジネス部門、コーポレート部門のそれぞれが、輸送まで、どのようにプロジェクトに関わっていたのか、少し詳しく見てみましょう。
– 技術部門
直近では「調整工程・性能試験」を行い、顧客が求めるジャイロトロンの性能を達成するべく取り組んでいました。その様子を紹介したブログも公開していますので、あわせてご覧ください。
今年の1月に性能試験の成果についても発表していますように、各プロセスは着々と進み、いよいよ「輸送」の段階に。輸送に際しては、実際に当社の技術メンバーがUKAEAの施設を訪れ、最終的な「SAT試験」に向け、どこに何をどのように設置するのかを確認しました。
– ビジネス部門
ジャイロトロンの受注を獲得した後は、プロジェクトの全体管理が重要な業務となり、ビジネス部門のメンバーはその役割を担います。納品までの期間、顧客であるUKAEAや、ジャイロトロンを構成する機器や部品を手掛ける協力会社、そして当社の技術メンバーと密に連携し、プロジェクトを円滑に遂行するべく立ち回ります。
ジャイロトロンの開発には、細かい部品も含めると、国内外合わせて50社近くもの協力会社が関わっており、特に日本の技術・製造企業の協力は欠かせません。そのため、協力会社との良好な関係を構築することもビジネス部門の重要な仕事の一つなのです。
– コーポレート部門
輸出管理の様々な手続きを担い、ジャイロトロンを安全・安心に輸送するため、技術メンバーと共に各パーツに適した梱包仕様の検討や、外航貨物保険の加入、運送業者の選定や実務手配を行いました。
また、イギリスのメンバーとも連携し、輸送業者との調整や現地での受け入れ確認など、無事輸送が完了するよう、細かいところまでケアしながらプロジェクトを推進しました。
– いよいよ最終工程へ
ここまでの長い道のりを経て、いよいよ最終工程となる「SAT試験」が始まります。実際の試験はUKAEAのメンバーが中心となり実施されますが、試験方法などを打ち合わせるため、近々当社の技術メンバーが現地を訪問する予定です。
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今回のジャイロトロンの輸送は当社にとっても初めてでしたが、それぞれのメンバーが持つ専門性を十二分に発揮し、無事に達成することができました。
最終的な納品までは気が抜けませんが、プロジェクトの完遂まで引き続き全社一丸となって取り組んでまいります。
また次回の「THE FUSION ERA」でお会いしましょう!
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