TECHNOLOGY
当社は、世界最先端の技術力を活かして世界中の民間企業や研究機関に工学的ソリューションを提供し、
フュージョンエネルギーの実現を加速させます。
Engineering Excellence
京都フュージョニアリングの強み
エネルギーの取り出しや燃料の循環に必要なループをはじめとする機器の開発
そしてそれらの全体設計を行うプラントエンジニアリングに高い技術力を保有しています。
フュージョンエネルギー(核融合)研究を長年続けている研究者・技術者が多数在籍し、
合計でおよそ800年の経験を有するエキスパートたちによる確かな経験と知識が
京都フュージョニアリングの技術力の根幹にあります。
フュージョンエネルギー炉のイメージと当社の事業領域
(ジャイロトロンシステム)
(フュージョン燃料サイクルシステム)
(フュージョン熱サイクルシステム)
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Plasma Heating System
(ジャイロトロンシステム)磁場閉じ込め方式の核融合炉において、プラズマ状態を作り出すために必要な加熱システムです。
ジャイロトロンは量子科学技術研究開発機構(QST)をはじめとする国の研究機関等で多くの研究者によって研究・開発が行われてきました。2021年には、国際的な研究開発プロジェクト「ITER」で日本国内機関としてQSTが担当する8機のジャイロトロンを完成させています。当社はその技術をベースにしながら、高周波数の開発や出力時間の長期化など、日本発のジャイロトロンが世界中で利用されるように研究開発を行い、産業転用できるよう取り組んでいます。加えて製品管理や品質保証など、ジャイロトロンの社会実装に向けて必要なプロセスを民間企業の立場から推進しています。- 28GHzなどの低周波帯から236GHz*などの高周波帯まで、複数の周波数に対応できるジャイロトロンを提供可能(*236GHzについては現在開発中)
- 英国原子力公社(UKAEA)や海外のスタートアップ企業からの受注実績
- 製品開発に際しては、キヤノン電子管デバイス株式会社をはじめとする日本の大手技術・製造企業との幅広い協力関係を構築
- 核融合産業だけでなく、他産業への応用も期待される技術の結集
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Fusion Fuel Cycle System
(フュージョン燃料サイクルシステム)炉心プラズマの安定稼働における最大の課題の一つである燃料供給を絶えず行うため、京都大学をはじめとする長年の研究成果を基盤に、燃料であるトリチウム(三重水素)などの水素同位体ガスを核融合炉心から排気・分離・循環させる技術の研究開発を進めています。
また世界でも有数の水素同位体の取り扱いや管理に関する豊富な経験と技術、そして関連設備を持つ「カナダ原子力研究所(CNL)」と連携し、「UNITY-2」と称したプロジェクトを通じてフュージョン燃料サイクル技術とシステムの技術成熟度の向上に取り組んでいます。- 液体増殖炉から効率よくトリチウムを抽出する技術や機器の開発
- 燃料ガスの再循環による核融合プラズマの連続燃焼を維持するために、排気システム(ダイバータ、ポンプ、DIRシステム)および分離技術(不純物ガス除去、同位体分離システム等)の設計、開発
- フュージョン燃料サイクルシステムを最適化し、コスト競争力のある設計の検討
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Fusion Thermal Cycle System
(フュージョン熱サイクルシステム)炉心プラズマから熱を取り出すためには、フュージョンエネルギー特有の環境(高エネルギー高流束中性子照射、高磁場環境、高温)に対応する独自の材料と、高熱効率に適したプラント設計が必要です。当社は独自材料からプラント設計までを一つのシステムとして開発に取り組んでいます。
また、当社研究開発拠点の京都リサーチセンターにおいて、世界初*となるフュージョンエネルギーの発電試験プラント「UNITY-1」の稼働を計画し、現在建設を進めています。
(*2022年7月の発表時点)- 高耐熱性(1000°C)、低放射化、先端材料(SiCコンポジットなど)の開発
- 高温での熱回収とトリチウム増殖性能を備えた先進のブランケットの設計開発および液体金属(LiPb、Li)および溶融塩ループ(FLiBe)の設計
- ヘリウムなどを媒体とする先進熱交換器および革新的な発電サイクルの設計開発
- フュージョンエネルギーによるゼロカーボン高温熱源を利用した水素製造、バイオマスの熱分解による炭素固定化技術の研究開発
UNITY Suite
UNITYプロジェクト
「UNITY」プロジェクトは、核融合反応により発生するエネルギーから熱を取り出し発電につなげていくフュージョン熱サイクルシステム(Fusion Thermal Cycle System)の実証試験を行う「UNITY-1」と、炉心プラズマへの安定かつ安全な燃料供給を行うフュージョン燃料サイクルシステム(Fusion Fuel Cycle System)の実証試験を行う「UNITY-2」により構成されます。
2021年の発表時には「UNITY」という一つのプロジェクトとして計画していましたが、現在は「UNITY-1」「UNITY-2」という二つのプロジェクトに分割し、日本とカナダのそれぞれにて実証試験を行います。
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UNITY-1: 日本・京都府(京都リサーチセンター)
核融合反応を起こすことなく、磁場環境における電熱線およびIHヒーターを用いたエネルギー授受プロセスにより、炉心プラズマからのエネルギー授受を模擬し、そこから発電に至るまでの一連のプロセスを実証します。UNITY-1には、熱を取り出すブランケット、取り出した熱を輸送する液体金属ループ、液体金属から熱を取り出す先進熱交換器およびその熱を利用する発電システム、そして水素・重水素を取り出すための装置を備えます。
なお、UNITY-1の実証試験では、放射性物質(トリチウム・中性子)を扱うことはありません。実験装置は一連の密閉された装置システムになっており、水素、重水素、液体金属は装置システム内でコントロールされます。 -
UNITY-2: カナダ・オンタリオ州
カナダ原子力研究所(CNL)の敷地内に設置した技術実証試験施設において実施する共同開発プロジェクトです。UNITY-2には、トリチウム抽出システムや、トリチウムを貯蔵するストレージ、排気システムやポンプなどを備えます。
Technical Papers
私たちの最新の研究成果
(Journal of Fusion Energy)
(Self-Cooled Yuryo Lithium-Lead Advanced)