COLUMN
2022.08.29

Leadership Thought from Masato Tabuchi

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田渕 将人 マネージャ 技術開発本部 博士(工学)
2022年1月よりKFに参画。前職では(株)原子力エンジニアリングにて加圧水型原子炉(PWR)の炉心設計及び計算コード開発に従事。中性子輸送計算の計算手法高度化に関する研究を通して博士の学位取得。

核融合との出会いは?
核融合は、理系を専攻した人なら確実に一度は耳にするものかと思うのですが、私も高校の時に初めて核融合を知って、「ほんとにすごい」と率直に思ったのを覚えています。

そもそも、核反応がなんたるかを知った時に、身の回りで起きている化学反応とは桁が違うエネルギー密度であること、そして人間がそれを制御しようとしていることがかっこいいと思いましたし、その中でも核融合発電は既存のエネルギーに比べてもすごく長所短所のバランスが良く、本当に夢のエネルギーだと感動しました。

大学で研究室を選ぶ段階でも、この先に自分が進む道の一つとして核融合に興味を持っていたのですが、調べていくうちに、30年前も今も変わらず「あと30年で実現する技術」だと言われていることがわかってきて・・「夢のエネルギー」と思っていたのが、気がつけば「夢物語のエネルギー」のように思えてきていました。

そういった経緯もあり、大学では核分裂の原子力の道に進んで、その後も約16年、中性子輸送計算に関わる仕事をしていました。核融合の話題に触れることもほとんどなくなって、たまに職場で話題になった時も、内心「どうせ実現しないのに、まだやってる人いるの?」とすら思っていた部分があったかもしれません。

KFに入社したきっかけは?
去年の8月に、友人との会話で久々に核融合が話題に上り、いまはどんな感じなんだろう、とふとネットで調べたてみたんです。そうしたら欧米を中心に、アグレッシブな目標を掲げている企業が何社も出てきていて、中には有名な投資家がびっくりするような額を投じている企業がいることを知りました。
投資のプロが核融合にこれだけの可能性を感じているんだと思った時に「自分の中で夢物語で止まっていた核融合が、もしかしたら今こそ産業化間近なんじゃないか」と昔抱いた感動が呼び覚まされるようでした。

調べる中で、日本にも京大発のスタートアップがあることを知り、最初は「実際に今核融合に関わっている方の話を聞いてみたい」という興味から、問い合わせたのがKFでした。
そうしたところ、長尾さん(京都フュージョニアリングCEO)から直接お話が聞けて、核融合分野の最新の状況や、世界における核融合の盛り上がりを、より現実味を持って知ることができたんです。

また、原子力分野で私が行っていた仕事の中にも、核融合に関係する部分があると座学的には理解していたのですが、実際に核融合分野で活躍されている方からみて、活かせる部分があるのかどうかについても興味があって、思い切って質問してみました。
すると長尾さんから、核融合の分野でも中性子に精通した技術者が必要であることや、KFでは様々なスキルやバックグラウンドを持った方が活躍していることを聞くことができて、KFに関わることを真剣に検討し始めました。

とはいえ、私はそれまで自分の適性をこれ以上活かせる仕事はないと思えるくらい、自分に合った仕事をしていた自覚があったので、慎重に時間をかけて考えました。
結果、「KFそして核融合の分野に飛び込んでこそ、見れる未来があるのではないか」と思えたことと、家族に相談した時に「挑戦しなかったら後悔するんじゃない?」と背中を押してもらえたことが決め手となり、KFへの入社を決めました。

現在KFではどのようなプロジェクトに取り組んでいますか?
現在は、KFが進めているUNITY* のプロジェクトと、海外の公的機関や民間スタートアップに向けたコンサルティング関連のプロジェクトに関わっています。

入社後から今年の4月までトリチウムのプロジェクトに関わっていたこともあり、UNITYのプロジェクトでは、主にトリチウム関連の装置の実証や、今後の設計にまつわる議論をチームメンバーと協力しながら行なっています。

これまでのKFでの仕事をへて、自分自身に変化があったと感じますか?
実際に、前職で携わっていた仕事と質や種類も大きく変わり、それに伴って自分にも変化があったと感じています。

例えば、前の職場では業務が非常に細分化されていたのですが、私はその中でも特に限られた領域で、専門領域の深さで勝負するような職種でした。一方KFはスタートアップ、かつ今まさに組織自体が拡大している中で、新しいプロジェクトや機会が絶えず上がってきて、メンバー同士で都度相談しながら進めていきます。その際の自分の心構えが、これまでの自分の専門領域だけに注力していたスタンスから、メンバーの手が回らないところを補ったり、チームを加速させるために必要な動きを考えたりと、全体に貢献するスタンスへと意識の向き方が変わってきたんです。

これまですごく安定した環境にいたので、正直、変化や刺激の多さに「すごいとこにきてもうた汗!」と思うときもあるのですが(笑)、入社してからの7か月を振り返っても、すごく密度の濃い時間を過ごせた実感があって、KFに来て本当に良かったと感じています。

今後5年間でKFはどのように変化すると思いますか?
前提として、5年間で核融合を取り巻く環境自体が大きく変化すると考えています。今以上に核融合発電が現実味を帯びてくるのではないかと。
それに伴い、核融合分野にもさらに優秀な人材を集めることが必要になると思うのですが、公的機関で受け入れられる人数にも限りがあるので、そういった人材の受け皿として、KFをはじめとした民間企業もより大きな役割を担っていくのではないかと考えています。

KFもその頃にはさらに規模が大きくなり、世界の核融合産業でも重要な位置を担っていて、核融合といえばKF、エネルギー業界の人であれば知らない人はいないというような状態を目指していきたいと個人的には考えています。
一方で、今の規模感の組織ならではのコミュニケーションの取りやすさや働きやすさといった魅力は、組織規模が大きくなっても、皆で工夫をしながら維持していきたいとも感じています。

田渕さん自身はどのようなことを達成したいですか?
核融合発電の実現の瞬間を、この目で、KFで見届けたいです。
そして、その時に自分にしか担うことのできない役割で、KFに必要とされるような自分でありたいと思います。

今私が携わっているUNITYのプロジェクトでは、このプロジェクトに直結するプラント建設や材料領域を前職で専門としてきたメンバーがすごく活躍していて、彼らの手が回らないところを積極的に補っていくことが、今の自分にとって主要な役割の一つだと感じています。

核融合実現に向けて、チームを支えるような役割も含めて担っていきたいと感じられるようになったのは、自分にとっても重要な変化だと思いますが、その上で、やはり最終的には自分だからこそできる専門領域を、KFでもしっかりと確立していきたいと思っています。

それは、前職で培った専門領域かもしれないし、これから身につけていく専門性かもしれませんが、核融合の領域でも、自分にしかできないものを確立して、それによってKFに必要とされる存在でありたいと思っています。

また、原子力分野、核融合分野の人材や技術の活性化につながるような動きもしていきたいと考えています。原子力分野に長く携わって、専門性を追求してきたからこそ、双方に還元できることがあるのではないかと思っているので、それについても積極的に模索していきたいです。

*【プレスリリース】京都フュージョニアリング、世界初の核融合発電試験プラント建設

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