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2023.06.22
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THE FUSION ERA – イギリスに「KF UK」を設立するまでのお話

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皆様、こんにちは。
京都フュージョニアリング広報担当です。

当社は日本発のグローバルカンパニーとしてフュージョンエネルギー(核融合)の産業化を目指すべく、海外での事業展開にも力を入れています。

2021年10月にはイギリスに子会社(以下、KF UK)を設立し、今年2月にはアメリカ子会社を本格稼働させています。

2019年の創業から3年ほどの比較的短い期間に2か所の海外拠点を設立したことになるのですが、その過程においては、国ごとの制度の違いをはじめとする様々な壁にぶつかってきたことも事実です。

今回のブログでは、Corporate Management DivisionのHead of Financeである西野孝にKF UK設立の際の苦労話などを交えながら、当社の海外拠点開設時の裏話を語ってもらいました。

海外進出を考えているスタートアップの方にも参考にしていただけるようでしたら嬉しいです!

–  なぜ海外子会社を設立したのですか?

当社は核融合炉関連装置・システムの研究開発およびプラントエンジニアリングを事業として展開し、フュージョンエネルギーの産業化を目指しています。

現在フュージョンエネルギーは、特にアメリカとイギリスにおいて、公的な研究機関のみならず民間のスタートアップを含む様々なプレイヤーによる研究開発が加速している状況です。

そのため、当社の技術力をもってこの大きな波に乗り、共に産業を築いていくためには、各国の政府や研究機関、企業等との関係性を深めていくことが不可欠です。また実際に当社ビジネスの顧客も海外の研究機関や企業等が中心になっています。

こうしたことを踏まえ、現地で腰を据えて事業を推進できるように海外子会社を設立しました。

–  2021年10月にKF UKを設立しています。なぜイギリスだったのでしょうか?

共同創業者の一人であるRichard Pearsonが創業時よりイギリスを拠点に業務に従事していましたが、イギリスの公的研究機関であるUK Atomic Energy Authority(UKAEA)からのジャイロトロンの受注など、本格的にビジネスが拡がり始めたことから、人員を含めて現地でのビジネス機能を拡充するために正式な拠点を設けることを決定しました。

実は私が入社して最初に取り組んだのがこの件だったのですが、かなり急ピッチで進めたプロジェクトでした。

入社直後、経営メンバーから「1か月後にイギリスに拠点を設ける」と聞いたときは、さすがにそのスピード感に驚きましたね。決まっていたのは時期だけで、拠点の形態すら未確定であったなか、海外法人の設立を1か月でやりきるというスピード感に驚いたのを覚えています。

ただ、これまでのキャリアで海外子会社の管理や新規設立にも携わった経験があったことから、やらなければならないことは多くありますが、実は法人を作ること自体はそこまで難しいこととは感じていませんでしたし、結果的になんとか設立に漕ぎつけることができました。


– とはいえ、1か月という短い期間で子会社を設立するのは相当大変だったと思いますが、どのように進めたのでしょうか?

まず会社の枠組みの部分ですが、イギリスの商慣習やカルチャーは日本とは異なるので、最初から100点を目指すのではなく、最低限ビジネスが回る状況にするということに注力しました。

この背景としては、将来参画するKF UKのメンバーが主役となって活躍できる会社を彼ら自身で作り上げていって欲しいという想いがあったことから、設立時に在籍していたメンバーだけで作り込んだものとせず、余白をあえて残したままにしています。

子会社設立に関する具体的な手続きなどは、自分たちで調べながら、専門家にも相談して進めました。イギリスは情報開示が進んでいるため、子会社の設立に必要な手続きなどをインターネット上で容易に参照することができます。短い期間でも円滑に進めることができた要因ですね。

また、独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)さんにも多大なサポートをしていただきました。オフィスや雇用、給与、会計など必要な機能を作り上げるための現地の専門家を紹介いただいたり、海外進出を支援するために用意されているガイドブックを活用させていただいたりするなど、とても心強いサポートを受けることができました。

1か月という短期間でKF UKを設立できたのはジェトロさんのサポートがあってのことでしたので、この場を借りて、改めて御礼申し上げたいと思います。

– 順調に進められたようですが、一番苦労したのはどんなことでしたか?

先ほどもお話したように、イギリスと日本の商慣習の違いをどこまで・どのように会社制度に反映させるかという点が最も苦労した点です。

文化が違えばルールも違う。
たとえば、通勤にかかる交通費一つにしても、日本では給与とは別で支給されることが一般的ですが、イギリスでは逆に給与に含まれて支給されることが一般的です。もちろん祝日も異なりますし、物価や社会保障も異なるので、給与体系や休暇などの諸制度をどう設計していくかは相当悩まされました。

Equality(同一性)とFairness(公平性)というジレンマにもぶつかりましたが、結果的にKF UK社ではFairnessを重視した制度設計を選びました。どういうことかというと、例えば福利厚生においては、社会構造が異なる日本とイギリスで、まったく同一の制度を機械的に導入するのではなく、二国間の違いを踏まえ、あえて異なる制度を入れることで、コンセプトとしてのFairnessを担保する。このためには、当然かなりの議論を要したし、今もなお継続的に意見を交換し、時には意見を戦わせて進化することが必要な部分です。

KF UKはまだ設立して2年目ということもあり、会社の体制構築については今はまだ日本の本社がリードしている面もありますが、早期にKF UKのメンバーが主体となってリードできるように体制を強化して行きたいと思っています。


– 立ち上げから関わっていると、ひと際思い入れもありますよね。

そうですね。私自身、気持ちの上では半分はKF UKメンバーだと思って向き合っています。設立当初はコロナ禍だったこともあり、現地に行くことなくリモートで設立をせざるを得なかったのですが、設立1年後にようやくKF UKのオフィスに行けたときは、メンバーにも歓迎してもらえて嬉しかったです。

日本、イギリス、そしてアメリカと場所は違いますが、垣根のない「ワンチーム」として一体感のある組織運営ができるよう、業務でも、プライベートでも積極的に交流できる関係性を続けていきたいですね。

– アメリカの子会社立ち上げも相当苦労があったのではないでしょうか?そこはまた次回、話を聞かせてください。



今回は、KF UKを設立する際のエピソードをお届けしました。子会社設立という一大プロジェクトを入社早々に成し遂げたという話には当時を知らない広報担当としても驚きました。

まだまだKF UKは現在進行形。もちろん日本の本社も同様に、当社は成長過程にあります。

様々な文化や価値観を取り入れ、多様な人材が活躍しているのが当社の魅力の一つ。つい先日には、日本、イギリス、アメリカのメンバーが揃い、Global Campと称した合宿を開催しました。
それはまた近日中にブログでご紹介したいと思いますので、ご期待ください。

今後とも京都フュージョニアリングにご注目ください。
また次回の「THE FUSION ERA」でお会いしましょう!

THE FUSION ERA:https://kyotofusioneering.com/news_category/blog


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