– 多様な産業からの支援をもとに、グローバル市場に向けた事業展開を加速 –
京都フュージョニアリング株式会社は、シリーズCラウンド(エクステンション)において、3者を新規引受先として総額15.6億円の資金調達を実施しました。これによりシリーズCの累計調達額は120.6億円に、当社の累計資金調達額は137.4億円となりました。
2023年4月に日本政府の統合イノベーション戦略推進会議にて「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」が発表され、2024年3月には産官学による「フュージョンエネルギー産業協議会(Japan Fusion Energy Council、通称:J-Fusion)」が設立されるなど、日本でも国を挙げてフュージョンエネルギー実現に向けた動きが進展しています。その一方で世界に目を向けると、米国や英国、欧州を中心にフュージョンエネルギーの実現と産業化に向けた取り組み、それに伴う官民・民間同士の連携の動きは、以前と比べても具体性を高めながら加速しています。
この流れのなか当社は、国内外での事業拡大を推し進めています。2023年5月にシリーズCで105億円の資金調達を実施して以降、事業の柱の一つであるプラズマ加熱システム「ジャイロトロン」では、米国ジェネラル・アトミクスからの新規受注を獲得しています。また、公的研究機関(英国原子力公社:UKAEA、カナダ原子力研究所:CNL)や、学術研究機関(カールスルーエ工科大学:KIT、オークリッジ国立研究所:ORNL、サバンナリバー国立研究所:SRNL、筑波大学)との連携を強め、技術開発の領域を広げています。
加えて、研究開発における象徴的なプロジェクトとして、日本国内では「UNITY-1」を、カナダではCNLと共に「UNITY-2」を進めており、当社事業の中核となる「Thermal Cycle System(熱サイクルシステム)」および「Fuel Cycle System(燃料サイクルシステム)」の技術成熟度の向上およびその確立に取り組んでいます。
当社は、今回の資金調達によって獲得した資金と、投資家の持つ知見を活用して、フュージョンエネルギーの早期実現に向けた技術開発ならびにグローバル市場での事業展開を加速させていきます。
【資金調達の概要】
シリーズC(エクステンション)調達額:
15.6億円(シリーズC累計調達額:120.6億円 / 累計資金調達額:137.4億円)
新規株式引受先(リード投資家、以降は五十音順):
- 31VENTURES-グローバル・ブレイン-グロースI合同会社
代表社員 三井不動産株式会社 / 代表社員 グローバル・ブレイン株式会社 - 京銀輝く未来応援ファンド3号forSDGs投資事業有限責任組合
無限責任組合員 京都キャピタルパートナーズ株式会社 - 株式会社フジクラ
調達目的:
- UNITY-1, UNITY-2をはじめとする研究開発投資の加速
- グローバル事業の推進および採用活動
- 大型案件受注・事業拡大に伴う運転資金の確保
【共同創業者 兼 代表取締役社長 兼 チーフフュージョニア 小西哲之からのコメント】
今回のシリーズC(エクステンション)は、当社事業をさらに前へと進めるために必要不可欠であり、次の大きなステップを見据えながら足元の体制を盤石にするための重要なマイルストーンとなります。新たにご支援、ご協力いただきます皆様には、深く御礼申し上げます。
世界中で研究開発が加速し、それに伴う競争が激化するなか、当社は日本が培ってきた技術やノウハウを基盤に、その価値を国内外に向けて提供するとともに、サプライチェーンの構築に取り組んでいます。フュージョンエネルギープラントの実現、そしてサプライチェーンの構築には、様々な産業の優れた技術やノウハウを転用し、フュージョンエネルギーに適したものへとカスタマイズすることが必要です。そのため、既存投資家の皆様を含め、幅広い産業からご支援、ご協力いただけることはとても心強く、その期待に応えるべく全社一丸となり事業に取り組む所存です。
【引受先からのコメント】(リード投資家、以降は五十音順)
31VENTURES-グローバル・ブレイン-グロースI合同会社:
代表社員 三井不動産株式会社
執行役員 イノベーション推進本部 ベンチャー共創事業部長
髙波 英明氏
三井不動産は、2021年11月に温室効果ガス排出量2050年度ネットゼロ達成を目指した「脱炭素社会の実現に向けたグループ行動計画」を策定しました。その後、31VENTURESはコーポレートベンチャーユニットとして、脱炭素化のための最先端技術と独自のソリューションを探求する専門チームを設置し、脱炭素に関する技術革新の動向把握および脱炭素関連のスタートアップへの出資と共創を進めています。
今回、三井不動産は京都フュージョニアリングの核融合に関する高い専門性や技術力、優秀な経営陣、そしてクリーンエネルギーの市場ポテンシャルやインパクトを評価して、出資を決定いたしました。また、フュージョンエネルギー産業協議会にも参画し、本出資と併せて今後の核融合の社会実装に貢献してまいります。今後、京都フュージョニアリングの事業成長と核融合の社会実装に貢献してまいります。
京銀輝く未来応援ファンド3号forSDGs投資事業有限責任組合
無限責任組合員 京都キャピタルパートナーズ株式会社
ベンチャー投資部 係長 鈴村 泰大氏
地元の京都大学発スタートアップとして当初から注目しておりましたが、この度投資する機会を頂きました。小西代表をはじめとする核融合分野のスペシャリストたち、そして、核融合炉の重要コンポーネントを提供するプラントエンジニア企業としての立ち位置を取るビジネスモデルが、京都フュージョニアリングの魅力であると感じています。
核融合発電の実現に向けた当社の挑戦を、京都フィナンシャルグループとして支援できるよう尽力して参ります。
株式会社フジクラ
取締役社長CEO 岡田 直樹氏
フュージョンエネルギーはカーボンニュートラル社会の実現のために次世代のエネルギー源として期待されています。京都フュージョニアリングはこの分野において世界最高峰の技術力を有し、実用化に向けて重要な存在であると考えています。
弊社は長年、高温超電導線材の開発を行ってきており、欧米などで進められているフュージョンエネルギー炉開発に高温超電導線材を提供しております。今後、京都フュージョニアリングとの協業も通じてフュージョンエネルギー実現に向けて精力的に取り組んで参りたいと考えています。
【既存投資家】(五十音順)
- 株式会社INPEX
- SMBCベンチャーキャピタル株式会社
- 株式会社MOL PLUS(商船三井CVC)
- 京都大学イノベーションキャピタル株式会社
- 合同会社K4 Ventures(関西電力グループ)
- Coral Capital
- JICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社
- ジャパン・コインベスト4号投資事業有限責任組合 三井住友トラスト・インベストメント株式会社
- ジャフコ グループ株式会社
- 大和企業投資株式会社
- DBJキャピタル株式会社
- 電源開発株式会社(J-POWER)
- 日揮みらい投資事業有限責任組合 日揮株式会社
- 日揮みらい投資事業有限責任組合(無限責任組合員:グローバル・ブレイン株式会社)
- 三井物産株式会社
- 三菱商事株式会社
- 三菱UFJキャピタル株式会社
- 株式会社三菱UFJ銀行
【京都フュージョニアリング株式会社について】
当社は、京都大学をはじめ、日本で長年培われてきた核融合研究の成果に基づき2019年に設立された、フュージョンエネルギープラント機器の開発に特色を持つエンジニアリング企業です。
プラズマ加熱装置、熱取り出しブランケット、高性能熱交換器、水素同位体移送ポンプを始めとした先端核融合工学分野において世界有数の技術力を有しており、英国原子力公社を始め全世界の核融合研究開発機関・企業を顧客に持ちます。
日本のものづくり力を結集し、革新的なエンジニアリングソリューションを世界に提供することで、人類に究極のクリーンエネルギーを提供し、フュージョンエネルギーという新たな世界市場を創出することを目指しています。
<会社概要>
会社名 京都フュージョニアリング株式会社
設立 2019年10月
事業内容 フュージョンエネルギープラント関連装置・システムの研究開発
およびプラントエンジニアリング
代表者 代表取締役社長 小西 哲之(こにし さとし)
社員数 124名 (2024年4月1日時点、派遣・業務委託・海外子会社含む)
所在地 東京都千代田区大手町(本社)
・京都府宇治市五ケ庄(研究拠点・京都大学宇治キャンパス内)
・英国バークシャー州レディング(英国子会社オフィス)
・米国ワシントン州シアトル(米国子会社オフィス)
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