2024.05.30
INTERVIEWS & COLUMNS

Behind the Fusion Scene: 菊池 大樹

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菊池さんは京都フュージョニアリングでどのような業務に携わっていますか。
フュージョンエネルギープラントの周辺機器を研究開発しているPlant Technology部門に所属し、プロジェクトマネジメントを担当しています。プロジェクトのスコープやスケジュール、コストを適切に計画・管理し、ステークホルダーとの調整を行いながら、プロジェクト立ち上げから完了までをマネジメントするのが主な仕事です。

2022年の8月に千代田化工建設株式会社(以下、千代田化工)から出向という形で、京都フュージョニアリングに来ました。最初は50%の稼働でしたが、2023年の1月からは完全に京都フュージョニアリングで勤務しています。これまで2年近くの間、様々なプロジェクトに携わってきました。

どのような経緯で京都フュージョニアリングに出向することになったのでしょうか。
千代田化工の新規事業開発プログラムを通じてフュージョンエネルギーを新規事業候補に提案したことがきっかけです。私自身がフュージョンエネルギーに興味があり、その実現に如何にして貢献できるか検討していましたし、会社としてもこの分野により踏み込むべきという考えがあり、出向することになりました。

それまでフュージョンエネルギーの存在は知っていたものの、実現は遠い未来という印象でした。しかし、「京都フュージョニアリング」という国内発フュージョンエネルギースタートアップの設立や、その先進的な取り組みを知って、私が予想していたよりも早く実現するかもしれないと感じました。

社員の自発的なチャレンジに対して寛容な千代田化工の社内風土に加え、京都フュージョニアリングの様々な業界を巻き込んで国内に産業を創出しようという考え方によって、出向することができました。両社の柔軟な決断によって、現在京都フュージョニアリングで働けていることを嬉しく思います。将来的には両社の強みを生かし、フュージョンエネルギーの早期実現に貢献できるといいですね。

出向以来、京都フュージョニアリングで関わってきたプロジェクトについて教えてください。
一番初めに担当したプロジェクトは「UNITY-1」という、核融合反応を模擬し、発生するエネルギーから熱を取り出し発電につなげていく仕組みの実証試験を行う施設です。当初はまだプロジェクトが立ち上がったばかりで、スケジュール策定、コスト積算、サプライヤー選定などの初期業務を、プロジェクトマネージャーである小川さんのサポート役として行いました。京都フュージョニアリングに来たばかりにもかかわらず、プロジェクトの土台となる部分に関われたことは、現在担当している「UNITY-2」プロジェクトを進める上でも大きな糧になっています。

「UNITY-2」は、カナダ原子力研究所(CNL)と共同で進めている、フュージョン燃料サイクルを実証する施設です。京都フュージョニアリング側のプロジェクトマネージャーとして、CNL側の担当者と密にコミュニケーションを取りながら、お互いの認識をすり合わせ、円滑にプロジェクトが進むように進捗管理しています。

2つの「UNITY」プロジェクトでの経験を通じて、どのようなことを感じていますか。
豊富な経験を持つメンバーと働けることに非常にやりがいを感じています。
私の所属するPlant Technology部門にはこれまでプラントエンジニアリングやフュージョンエネルギー研究に深く関わってきたメンバーが多数在籍しています。1人ひとりが培ってきた多様な経験を束ね、ワンチームとして挑戦することに、プロジェクトマネージャーとして大きなやりがいと面白さを感じています。

特に「UNITY-2」はCNLとの共同プロジェクトなので、日本とカナダという距離的な障壁がある中でもオンライン・オフライン織り交ぜながら密なコミュニケーションを取り、お互いの強みや組織文化を理解し合えるように心がけています。
  
また、ひとりのエンジニアとして私自身が成長できていると感じています。「UNITY-2」で建設しようとしている実証設備は様々な技術を統合したデザインであり、限られたチームメンバーで実現しようとしていることから、私自らエンジニアとして設計のルール作りなどに携わる機会もあります。わからないことをプロジェクトメンバーに相談することで、新たな視点に気づかされることも多々あります。職位や職種関係なく気軽に相談し議論できるのは、メンバー同士の距離が近い京都フュージョニアリングの魅力の一つかもしれませんね。

プロジェクトを進めるうえで大変なこともあると思いますが、どのような点を心がけていますか。
現在、京都フュージョニアリングが取り組むプロジェクトはフュージョンエネルギー関連技術の実証であり、世界初のチャレンジが多数含まれます。なので、計画立案にあたって、完成までの期間やコストを予測するのが難しい。また、プロジェクト遂行過程で様々な困難にも直面するため、それらの適切な対処方法にも悩みますが、プロジェクトメンバーのスキルと、自身のプロジェクトマネジメント経験も活かし、ワンチームとなってプロジェクトを推進できるように取り組んでいます。

ただ、プロジェクトメンバーの人数が限られ、各々のカバー領域がとても広いです。マルチタスクによって効率が下がらないよう、プロジェクト全体の状況をタイムリーに把握することも心がけています。

千代田化工で培ったどのような経験が、現在の業務や菊池さん自身の仕事に対する向き合い方に活かされていると感じていますか。
千代田化工で担当していたのは、主に石油やガス、化学プラントなどのEPC(Engineering, Procurement, and Construction)プロジェクトのマネジメントです。特に「C」の建設段階において仕事を任せられることが多く、アメリカや中国、カタールと、世界を飛び回っていました。

海外での生活は学びや面白さも多い反面、苦労することもありました。プライベートでは、その国の文化に慣れるまでに時間がかかりましたし、仕事面では、異なる文化をもつ様々な国籍のエンジニアをまとめなければなりません。

しかし、色々な経験を持つ人が集結したチームがうまく一つになると、本当に強力になるんですよね。チーム一丸となって巨大なプラントを無事に完成させられたときは、大きな達成感がありましたし、実際にプラントが稼働し、人々の役に立っているのを見たときは胸が熱くなりました。

困難を乗り越えた後の達成感や感動を、海外の環境下で身をもって経験出来たことが、いま「UNITY-2」プロジェクトをCNLと進める上で活かせていると感じます。

これまでプロジェクトマネージャーとしてキャリアを積んできた菊池さんの、この役割にかける想いを聞かせてください。
私は、プロジェクトマネジメントという仕事を通じて、一筋縄ではいかないプロジェクトの完遂に貢献し、世の中の発展や人々の生活をより豊かにすることを目指しています。この想いは、実は私が学生の頃から抱いているものです。

幼いころから身の回りのモノや仕組みへ興味があり、中学校卒業後は工学系の高等専門学校へ進学しました。モノ作りの技術を学ぶうちに、生活の根幹となる部分に携わりたいと思うようになりました。「人々が生活する上で欠かせないもの」を考えた結果、エネルギーにたどり着き、大学では工学部でバイオエネルギーを専攻。大学院修了後、エネルギー領域のエンジニアリングに強みを持ち、世界各国でのエネルギー開発に貢献している点に魅力を感じ、千代田化工に入社しました。

エネルギー関係のプラント建設プロジェクトを通じて、学生のころから目標にしていた「人々の生活を豊かにすること」に貢献できて本当に嬉しいですし、この仕事に誇りをもっています。

ただ、それに伴う責任とプレッシャーとも常に向き合っています。例えば、海外でのプラント建設プロジェクトにおいては、プロジェクト内の課題に加え、物価の変動や規制の変更、サプライチェーンの寸断などの外的要因で計画通りに進まないことが多々あります。コントロールが難しいとはいえ、プロジェクトが計画から大きくずれてしまうと、その影響の大きさから責任を感じ、心苦しいです。

特に、その影響が現場で働くエンジニアにも伝わり、チームの士気が下がってしまうと悪循環に陥るため、マネジメントには非常に気を使います。やはり大きなプロジェクトを達成するためには個人プレーではなく、チームで協力することが必要だと信じていますし、困難な状況下でこそ、チームのメンバーをまとめ、目線を合わせて解決に向かっていくことが重要です。プロジェクトマネージャーとしての腕が試されますね。

最後に、菊池さんの京都フュージョニアリングでの目標を教えてください。
現在メインで携わっている「UNITY-2」の完成が最大の目標です。

2023年にプロジェクトが始動して以来、日々ものすごい勢いでプロジェクトが進んでいます。そのスピード感に飲み込まれず、CNLや社内のエンジニアと連携し、チーム一丸となって「UNITY-2」を完成させたいですね。

将来的には、世界全体が直面しているエネルギー問題の解決に貢献したいです。日本で長く過ごすなかで、その深刻さは身に染みて感じているからこそ、問題解決したいと強く願っています。フュージョンエネルギーはその鍵になると信じているので、京都フュージョニアリングで私ができることに精一杯取り組んでいきたいです。

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