2024.09.30
INTERVIEWS & COLUMNS

Behind the Fusion Scene: 難波 恭介 

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In a nutshell: 
2023年4月に京都フュージョニアリングに入社した難波さんは、フュージョンプラントの周辺機器を研究開発するPlant Technology部門のThermal Cycleチームに所属し、当社の2つのUNITYプロジェクトにおける機械設計を担当しています。 

前職の大手エンジニアリング企業での海外における設計・調達・建設(EPC)事業の経験を活かし、海外の協業先とも連携しながらフュージョンエネルギーの実現に向けて挑戦を続けています。 


京都フュージョニアリング(KF)での担当を教えて下さい。 
私はフュージョンプラントの周辺機器の研究開発を行うPlant Technology部門で、UNITY-1とUNITY-2の両プロジェクトで機械設計エンジニアとして働いています。具体的には、プラントの機能や仕様を考える基本設計と、その下流で装置のアレンジやレイアウトなどを検討しています。(当社の2つのUNITYプロジェクトについては当社のTechnologyページをご覧ください。) 

UNITY-1プロジェクトではどのようなことを担当していますか? 
UNITY-1プロジェクトではP&ID(Piping & Instrumentation Flow Diagram)に始まり、装置や配管のレイアウトを担当しています。建設サイトである「京都リサーチセンター(KRC)」は既設の建屋に装置をうまく配置するという条件なので、将来的な拡張や改造の可能性を踏まえながら、どこに何を設置するかを構想しています。 

液体金属を循環させるループについても、一部ベンダーさんと協業しながら細かなレイアウトの設計を行っています。関係者の尽力もあって無事に建設が進んでいる状況です。 

UNITY-1プロジェクトは核融合発電を模擬し、従来研究領域等で使用されている液体金属ループの温度域の運転だけでなく、さらに高い温度域での運転に必要な要素技術の実証と開発を目的としています。プロジェクトを通じて得られた知見を活かし、将来的にはさらに信頼性の高いシステム開発を目指しています。 

また、プラント設計の際に重要なのが設備の安全、信頼性に関わる評価です。HAZOP(ハゾップ)と呼ばれる分析を自社の有識者メンバーで行い、運転上考えられるリスクを特定、評価した上で安全計装の評価を行っています。設備で求められる安全性を担保するべく、設計にはどのような配慮が必要かという点でもメンバーとも協力して進めています。 

難波さんが作成したUNITY-1の3Dイメージモデル 

UNITY-2プロジェクトでも機械設計を担当しているのですか? 
はい。UNITY-2はカナダのオンタリオ州に建設予定の、カナダ原子力研究所(CNL)との共同プロジェクトで、概念設計を進める上では日本とは異なる規制がある等の事情もあり、CNLのメンバーと協力しながら検討を進めることが重要です。UNITY-1とは勝手が違うことも多く大変な部分もありますが、それがまた面白いと感じています。 

私自身、バックグラウンドの異なるメンバーと協力して物事を進めるのが好きなんです。CNLのメンバーがどんな背景事情を抱えているかを理解し、それを踏まえた提案を常に意識しています。 

これまでも海外のメンバーと働く機会はあったのですか? 
前職では大手のエンジニアリング会社で主に機械設計業務を行っていました。社内には海外子会社から出向している外国人も多かったです。また、海外でのEPCとなると必然的にベンダーさんも海外となるため多国籍なメンバーと仕事をする機会は多くありました。 

文化が異なるため、コミュニケーションは一筋縄ではいかないこともありましたが、それがむしろ面白いと感じていました。 

特に記憶に残っているのは、トラブル対応で客先に説明に赴いたときや、現地のベンダーオフィスで設計の進捗管理を目的に出張したときです。自分でなんとか説明・交渉しなければならない場面では、自分の力量が試されているプレッシャーもありながら、むしろそれが自分を奮い立たせてくれるような感覚でした。このような山場を乗り越え、業務を完遂できたときの達成感は、今でも忘れられません。 

KFに転職を決めた背景を教えて下さい
元々フュージョンエネルギーの分野自体にはずっと興味がある中で、前職の会社の掲示板でニュースの切り抜きにKFの記事が出ているのをふと見つけました。フュージョンエネルギーのスタートアップとはどんなところだろうと調べた結果、共同創業者として大学時代の恩師である小西さんがいることを見つけました。小西さんの視野の広さや考え方には学生時代から尊敬の念も持っており、「小西さんが関わっているなら、ちゃんとした会社だろう」という印象もありました。 

2022年頃から芽生えた『自分のエンジニアとしての実力を広げられる環境に身を置きたい』という漠然とした気持ちと転職を考えていたタイミングがちょうど相まってKFに応募しました。 

先行して海外の会社への転職も考えていましたが、KFの採用プロセスがスピーディーに進み、早期に内定をもらって2023年の4月に入社することになりました。 

大企業からスタートアップへの転職に不安はありましたか? 
正直言って、全く不安は感じませんでしたね。もともと海外の会社も検討していたことがあって、安定を求めて転職がしたいという動機はありませんでした。そのためスタートアップでチャレンジし続けることには抵抗感がなかったんです。それに、転職活動をしていた時期には、メンバーの増加や資金調達などKFの著しい成長も耳に入り、むしろ安心感がありました。 

それにKFでは、大手企業や著名な研究機関で活躍していたメンバーが集まって新しいことに挑戦しているので、KFで得られるスキルや知識は将来的に自らの財産にもなると見込んでいました。 

KFに入社後、大企業とスタートアップでの違いを感じた点はありますか? 
ベンチャー企業では普通かもしれませんが業務に関して言うと、KFでは一人ひとりの守備範囲が広いですね。前職では分野や領域毎に設計機能が細かく分かれていたのですが、現在KFではプロセス設計から全体のレイアウト検討、配管、鉄骨設計、個別機器の仕様設計までを1つの部門が行います。 

前職では設計フローが効率的でQA(品質保証)プロセスも洗練されているので、同じ業務内容だとしても、いくつもの部署をまたぐ必要があるでしょう。 

その点KFでは、これまでやったことがない業務も含めて手広くチャレンジできるのが特徴です。 

また、組織自体も大きくないのでコミュニケーションがフラットです。 

意見やコメントが思わぬ方向・タイミングで飛んでくることもあり、効率の面で大変なときもありますが、各々が専門性を持ち寄り、部署やチームが異なっていても分からないことはすぐ聞けて、意見が伝わりやすい風土は心地よさを感じる人が多いのではないでしょうか。 

最後に難波さんがKFで働くうえで大切にしていることを教えて下さい。 
目の前の仕事に、大小関係なく誠実に取り組むことを大切にしています。フュージョンエネルギーの社会実装を目指す過程においてはさらに大きなブレイクスルーがあるでしょう。我々はその役割を期待されていると思うと何か大きな使命を背負っているように感じます。私はその最終地点を意識しつつも、目の前の課題を一つ一つ解決し、その結果、目指す場所に到達できるというスタンスで業務を行っています。 

その過程で大なり小なり挑戦も失敗も繰り返した先にフュージョンエネルギーの実現だけでなく自分自身の成長もあると信じています。 

これからも、他のメンバーと協力しながら着実にプロジェクトを進められるように、努力を続けていきたいですね。 

アメリカ長期出張時の様子。左から1番目が難波さん。

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