2024.10.22
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THE FUSION ERA – ドイツ進出の舞台裏 – KFEU設立の挑戦と未来展望

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皆様、こんにちは。
京都フュージョニアリングの広報担当です。

今年2月、当社はドイツのカールスルーエに新しく「Kyoto Fusioneering Europe GmbH(KFEU)」を設立し、グローバルカンパニーとして新たな一歩を踏み出しました。

なぜドイツなのか?
どんな人材が集まっているのか?

KFEUの設立に深く関わった経営企画部の西野と福田に話を聞いてきたので、設立の舞台裏と現地の様子をご紹介します。

KFEUメンバーと福田・西野(左から2番目が福田、右隣が西野)

なぜヨーロッパに拠点を設立したのですか?

西野:ヨーロッパはフュージョンエネルギーの分野で極めて重要な地域です。例えば、国際プロジェクトのITERはフランスに、IFMIFはスペインにありますし、今年4月にイタリアで開催されたG7の気候・エネルギー環境相会合でも、フュージョンエネルギーが大きな議題となりました。このように、ヨーロッパは技術面だけでなく、政策的にもフュージョンエネルギーの未来を牽引しています。

ヨーロッパの中でもドイツを選んだ理由を教えてください。

福田:ドイツにはカールスルーエ工科大学(KIT)というフュージョンエネルギー分野に強い世界有数の学術研究機関があります。今年1月に当社とKITが協力協定を結んだこともあり、技術開発を一層加速させるべく、ドイツに拠点を設けることにしました。

西野:また、ドイツは自動車産業をはじめとする「ものづくり」の強国であり、高度な技術が要求されるフュージョンエネルギーにおいて、日本と共に重要なプレイヤーであると考えています。R&Dのみならず、ドイツを起点とした国際的なサプライチェーンを構築していくことは、我々の目指すフュージョンエネルギーの産業化に向けた大きな一歩です。

すでにイギリスとアメリカに子会社を設立しているとはいえ、KFEUの設立までには大変なこともあったのではないでしょうか?

福田:正直、かなり苦労しました。特に言語の壁が大きかったですね。イギリスやアメリカでは英語で対応できましたが、ドイツでは現地の言語、つまりドイツ語でのやり取りが必要な場面が多々ありました。銀行口座の開設や登記に必要な書類、さらには電話での問い合わせ対応まで、ドイツ語が求められることが多かったです。また、UKやUSでの設立経験を参考に進めていたのですが、国が違えば法律も文化も違うので、ドイツに合わせた会社設計をするのが大変でした。ドイツ語が話せるメンバーや外部の専門家の協力を得ながら、一歩一歩前進していきましたが、手続きには予想以上の時間がかかりました。

西野:これまでの経験から、設立に必要なタスクやタイムラインはある程度想定していましたが、結果的には福田が話したような文化や言語の違いが大きなチャレンジでした。また、他の業務と並行しながらプロジェクトを進める必要があり、いかに効率よく進めるかも大事なポイントでした。
会社を作るということは、そこで働く人の人生に関わることなので、現地のメンバーがスムーズに働ける環境を整えるために、必要な準備はしっかりと行い、状況に応じて調整していくことを意識していました。

KFEUには、どのようなメンバーが所属していますか?

福田:KFEUは、元々KITで研究していたメンバーを中心に構成されています。メンバーを率いるのが、KFEU設立と同時期に当社へ加入したChristian Day (Senior Vice President兼Head of Fuel Cycle)です。彼はヨーロッパの発電実証原型炉「DEMO」で燃料サイクルに関する研究開発を進めてきた、豊富な経験を持つエキスパートで、業界の中でも非常に著名な存在です。
他にも、Christianと共に研究を行っていたKITの卒業生で、フュージョンエネルギーの燃料サイクルシステムに専門性を持つメンバーが在籍しています。

一番左がChristian

設立後、お二人も実際にKFEUを訪れたそうですね。現地の雰囲気はどうでしたか?

福田:とても風通しのいい環境だと感じましたね。元々、KITで一緒に研究をしていたこともあって、メンバー同士の信頼関係は非常に強いものでした。師匠と弟子のような関係でありながら、お互いの意見を尊重し合い仕事をする様子が印象的でした。メンバーのキャラクターはそれぞれ異なりますが、それがむしろバランスを生み、チームとしての調和が取れているように感じます。

西野:また、KFEUの雰囲気は非常に温かく、私の訪問時にはChristian自らがコーヒーを淹れて迎えてくれました。彼はコーヒーへのこだわりが強く、最初にオフィスに導入した設備はコーヒーマシンだったそうです。笑



今回、KFEUの設立を主導した西野と福田に、その裏側について話を聞くことができました。

銀行口座の開設や現地での採用、さらには人事労務の手続きまで、他の部門のメンバーと協力しながらも全体をリードするのは大変な一方で、この経験を通じて、二人も大きく成長したと語っていました。

当社はこれからも圧倒的なスピードで成長し続けていきます。今後も技術的な最新情報や成長の様子を発信していく予定です。今回のブログ以外にも当社でグローバルに活躍するメンバーのインタビュー記事『Behind the Fusion Scene』も公開していますので、ぜひご覧ください。

最後に、KFEUへの期待を込めたChristianからのメッセージを紹介します。

“The new subsidiary in Europe, KFEU, will become a technology hub for the tritium fuel cycle, driving the transition towards commercialization and establishing the supply chain for the key components necessary to operate any fusion power plant.”


京都フュージョニアリングでは、エネルギーの未来を一緒に切り開くメンバーを募集しています。
募集内容はこちらのページをご覧ください。 公式SNSでも情報発信をしています。

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