
皆さま、こんにちは。
京都フュージョニアリングの広報担当です。
当社は2022年9月にアメリカの拠点としてKyoto Fusioneering America(KFA)をシアトルに設立しました。核融合開発で世界をリードするアメリカが、当社のビジネスにおいて重要な市場であることから、顧客やパートナーと密にコミュニケーションできるよう現地拠点を設けて活動しています。
以前のブログでイギリスの拠点開設についてご紹介しましたので、今回のブログでは、KFAの設立の背景や体制構築についてご紹介します。
設立に携わった上之段と、KFAに所属する阿部にインタビューをしてきましたので、ぜひご覧ください。
アメリカに子会社を設立した背景について教えてください
上之段:
アメリカは核融合開発に積極的な国の1つであり、国立の研究機関だけでなく、いくつもの民間スタートアップがフュージョンエネルギーの実現を目指しています。当社はフュージョンプラントのエンジニアリングを強みとしていることもあり、ビジネスを推進する上で核融合開発に取り組む企業や研究機関との連携が極めて重要になります。
彼らとの関係性を深め、ビジネスの拡大やさらなる核融合開発を目指す上で、アメリカに拠点を構えることは必然でした。
アメリカの中でもシアトルを選んだのには何か理由があるのでしょうか?
上之段:
拠点の候補地を検討する中で、フュージョンエネルギー関連の企業が特に多く集まる「シアトル」、「カリフォルニア」、「ボストン」の3つの地域が挙がっていました。
候補地の中で、すでに核融合スタートアップが数社あるだけでなく、カナダの企業やカナダ原子力研究所(CNL)などの研究機関とも連携がしやすいという地理的な利点を考慮し、最終的にシアトルを選びました。
阿部:
他にもシアトルには「The CleanTech Alliance」という、環境技術の発展を支援する業界団体があります。この団体を通じて組織作りに必要な健康保険や年金制度の整備がスムーズに進められるというメリットもありましたね。
さらに、ワシントン州政府は全米でも先駆けて、フュージョンエネルギーをクリーンエネルギーの1つとして含める法律を制定するなど、当社を含む核融合スタートアップが研究・事業開発を行いやすい環境を積極的に整備している点も、シアトルを選んだ要素の1つでした。
アメリカで子会社を設立し、組織としての体制を構築している中で、苦労した点を教えてください。
上之段:
海外に拠点を設けるためには現地の法制度をしっかりと理解する必要がありますが、アメリカでは州ごとに適用される法律が異なるため、それぞれの規制に対応しなければなりません。例えば人材採用を行う際、州ごとに異なる手続きが発生するため、すべてのルールを確認しながら進めることが求められます。また、各州法に精通した専門家との連携も欠かせず、そのパートナー探しも一筋縄ではいきませんでした。
阿部:
KFAにはシアトル以外の州に住んでいるメンバーもいるため、各々の州に適した「エンプロイー・ハンドブック」や「ワークブック」を作成する必要があります。これらは就業規則のようなもので、例えばカリフォルニア州にはハラスメント防止対策に関するルールや、従業員が休暇を取得できる権利など、独自の規制があったりするので、その基準に合わせた社内規則を整備しなければなりません。
上之段:
こうした違いから、KFAとしての一律のルールを作るのはどうしても難しいのですが、社員が少しでも快適に働ける環境を整えるために、現地の専門家と連携しながら柔軟な組織運営を行っています。
一方で、アメリカの会計や人事労務に関するクラウドシステムには、リーズナブルで機能が充実したものが揃っています。これらをうまく活用することで効率的に組織の基盤を構築することができました。
現在組織体制を整え、拡大しているKFAの社内の雰囲気を教えてください。
阿部:
KFAでは、シアトルに住んでいるメンバーは週に1度オフィスに出勤してコミュニケーションを取っています。ただ、他の州に住んでいるメンバーもいるため、リアルの場で交流できる機会は最大限活用するによう心掛けています。例えば、昨年9月に開催した当社の「Culture Day」では、CREDOについて対面で議論をしましたが、そのほかにもチームビルディングを兼ねたエクスカーションや懇親会を実施しました。

また、他拠点のメンバーが出張でアメリカを訪れた際にも、コミュニケーションを取れるよう、ランチやディナーなどの交流の場を頻繁に設けています。
今年も対面で交流する機会を積極的に設けていきたいですね。

KFA設立までにいくつもの課題を乗り越えたことと思いますが、今回の経験を通じて得られたことはありますか?
上之段:
KFAの設立を通じて、当社のグローバルな組織運営における視野が広がりました。
当社はKFAの設立以降、ドイツに子会社「Kyoto Fusioneering Europe GmbH」や、CNLとのジョイントベンチャー「Fusion Fuel Cycles Inc.」を設立していますが、そこでの組織作りにもKFA設立で培った知見が活かされています。
また、拠点を設けたことで、現地メンバーを通じて投資環境やビジネスについて深く理解できるようになったことも大きな収穫です。私はファイナンス部門を取り仕切っていることもあり、国内外の投資家の方に対して、アメリカの動向を踏まえながら当社のポジショニングやマーケットでの強みをより解像度高く説明できるようになりました。
KFAの現在の状況と今後の展開について教えてください。
阿部:
当社のアメリカのビジネス状況として、2023年11月には米国エネルギー省科学局が管轄するDIII-D国立核融合施設を運営するジェネラル・アトミクス(General Atomics)からジャイロトロンシステムを受注し、現在納品に向けて性能試験を進めています。また研究開発においては同じく米国エネルギー省が主導するイノベーションネットワークプログラム(INFUSE)の枠組みで、アメリカの国立研究機関とも技術開発を進めています。加えて、資金調達に向けて積極的に投資家とコミュニケーションを取っています。これらは現地に拠点を設けたからこそ推進できたことですので、引き続き、現地拠点というメリットを最大限活かし、顧客や研究機関、投資家との関係性を強化していきたいと考えています。
加えて、新たな顧客や投資家とも関係性を構築するために、イベントにも積極的に参加するようにしています。先月開催されたFIA(Fusion Industry Association)のAnnual Policy Conferenceや、FIAと核融合産業協議会(J-Fusion)が共同主催したイベントFusion Nexus: Advancing Japan-US Partnershipには、当社CEOの小西やKFAのHeadを務めるBibake Uppalなど、日本とアメリカから当社のメンバーが参加しました。

また、The CleanTech Allianceが主催する「Seattle Fusion Week」では、KFAが主要企業の一つとして参加しており、登壇発表や当社の取り組みをアピールするブースの出展などを行っています。アメリカのフュージョンエネルギー企業や研究機関が一堂に会するこの場は、当社の取り組みを発信する貴重な機会となっています。ほかにも、アメリカでは様々なフュージョンに関わる学会や会合が開催されますので、積極的に関与するようにしています。

現地拠点の地の利を活かし、今後もイベントへの参加を通じてネットワークを拡大し、当社のアメリカでの存在感を高めていけたらと思います。
ありがとうございました!
KFAの設立は、当社がグローバル企業として成長する上でも大きな一歩でした。ただ、ビジネスの拡大や組織をより盤石にするための仕組づくりなど、なすべきことはまだまだ多くあります。今後もKFAの取り組みについて、ブログや社員インタビューを通じて発信していきますので、引き続き応援いただけますと幸いです!
今後とも京都フュージョニアリングにご注目ください。
また次回の「THE FUSION ERA」でお会いしましょう!
THE FUSION ERA:https://kyotofusioneering.com/news_category/blog
京都フュージョニアリングでは、エネルギーの未来を一緒に切り開くメンバーを募集しています。
募集内容はこちらのページをご覧ください。
公式SNSでも情報発信をしています。
X https://x.com/Kyotofusioneer
Facebook https://www.facebook.com/KyotoFusioneering/
LinkedIn https://jp.linkedin.com/company/kyoto-fusioneering