2025.12.16
INTERVIEWS & COLUMNS

Behind the Fusion Scene: 川本 宗千力

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In a nutshell:
2024年4月にビジネス部門の一員として京都フュージョニアリング(KF)に入社した川本さん。入社後はPlant Technology領域の事業開発に取り組んでいます。IT系スタートアップでのインターンシップや大手外資系IT企業で培った営業経験を、持ち前の行動力やチャレンジ精神を活かし、国内外の民間企業や研究機関などをとの協業や新規顧客の開拓を推し進めています。


現在ビジネス部門で活躍されている川本さんが、これまでのキャリアを歩むことになったきっかけを教えてください。

就職活動時に営業としてのキャリアを意識するようになりました。大学の先輩の話を聞いたり、企業の採用ページを調べたりするうちに、「営業職」で求められるコミュニケーションスキルやビジネスへの理解を磨いていけば、様々な企業・業界で活躍できる人材になれると思い、営業職を志すようになりました。

その一方で、幼い頃から宇宙やAIといったテクノロジーに興味があり、IT業界を軸に就職活動していました。そんな中、偶然SNSで見つけたIT系スタートアップの社長の発信内容に惹かれ、話を聞いてみようと勇気を出して連絡したところ、直接お話しする機会をいただけました。そのご縁から、その方が経営するスタートアップでインターンとして受け入れてもらえることになりました。

インターンでは、どのような経験をされましたか?

法人に対して業務効率化のITソリューションを販売するBtoB営業やマーケティング、それに付随する提案書や報告書の作成などといった一連の仕事を経験させてもらいました。

最低限の社内マニュアルやオンボーディングを参考に、スタートアップならではのスピード感でとにかく手を動かしながら仕事を覚えていきました。新規案件が次々と発生し、時には案件を進行しながら仕事を覚えていくような場面もあり、スピード感はすさまじかったです。また学業が本業ですから、インターンと両立させなければならず、時間管理には苦戦した思い出もあります。

思い返すと忙しい日々でしたが、実務でしか得られない経験を積めました。ビジネスやマーケティングへの理解が深まりましたし、営業の仕事に対する解像度が上がりましたね。

今まさに京都フュージョニアリング(KF)でスピード感を持って働けているのは、この時の経験が活きているのだと思います。

インターンシップを経て、大学卒業後はどのような企業に就職したのですか?

インターンシップ後も「テクノロジー×営業」という軸で就職活動を続けていました。どうしても営業の仕事をしたかったので、入社後の配属先が分からない総合職ではなく、最初から営業職を募集している企業に絞ってたいところ、たまたま大手外資系IT企業が新卒で営業職を募集しているのを見つけました。OB数名に連絡を取って話を聞いたところ、その会社では新卒1年目からでも自発的に様々なことに挑戦できると教えてもらいました。チャレンジが推奨されている環境に魅力を感じて応募したところ、採用されることになりました。

新卒入社した会社ではどのような経験をされましたか?

ITやAIのソリューションの提案を通じて日本企業のデジタル化のお手伝いをしていました。四半期に1度設定される売上目標を達成すべく、何十社にも及ぶクライアントに対し、関係構築から契約締結に至るまでの一連の営業活動を行っていました。

社会人として営業の経験を積むにつれ、任されるクライアントの規模や数が大きくなっただけでなく、新規プロジェクトを自分の立ち上げをリードすることもありました。

元々大きかった売上目標の数字をさらに増やすために、受注したプロジェクトと並行して追加で新規案件を受注する必要もあり、プレッシャーは大きかったです。さらに勤め先の会社は規模が大きく、複数の部署を横断したプロジェクトでは横の連携も一筋縄ではいきませんでした。

ただその分、メンバーで協力してなんとか売上目標を達成できたときは、やりがいを感じると同時に難易度の高いことに挑戦する面白さを実感しましたね。

他にも、リソースの20%を自分の所属部署以外の仕事に使える制度があったので、私は人工衛星から取得できデータを環境問題解決への取り組みに使ってもらうための活動や、物流のトレーサビリティに関わる新規事業開発に携わっていました。

川本さんがフュージョンエネルギーを知ることになったきっかけを教えてください。

小さい頃から地球温暖化やエネルギー資源の枯渇などを耳にしていたこともあり、クリーンエネルギーは元々関心がある分野でした。ただ、前職にいるときに関わっていたプロジェクトや、そもそも勤め先が環境問題に対して積極的に取り組んでいたこともあり、環境問題に対する危機感をより一層感じるようになったのが大きかったです。

また、世界で「気候テック(Climate Tech)」(環境問題解決のための技術など)が話題になっており、元々関心のあった「テクノロジー」とも紐づいていたことで、さらに環境問題に対する興味が湧きました。

ちょうどその時、偶然にも新聞の記事でKFのジャイロトロンシステムが取り上げられているのを見かけました。見たことのない装置の写真や「巨大な電子レンジ」と称される仕組みに興味を持ったので詳しく調べてみると、ジャイロトロンは日本のものづくり技術を結集させて作られた研究機関向けの装置で、KFがそれを産業転用して海外に展開していることを知りました。

KFの事業について興味を持ち始めていたところ、大学の先輩を通じてKFのCOOである世古さんと話す機会を設けてもらうことができ、フュージョンエネルギーの将来性やKFが取り組む事業についてお話を聞かせてもらいました。 面談のおかげでフュージョンエネルギーに対する解像度が高まったと同時に、KFではメンバーが日々スピード感を持って新しいことに積極的にチャレンジしていることを知ることができました。

そこからどのようにKFに入社することになったのでしょうか?

世古さんとの面談後も1年半くらいは勤め先のIT企業で働き続けていました。ただ、KFの活動は常に追うようにしていました。

KFが発表する技術開発の進捗や活躍しているメンバーの紹介を見るうちに、日本のものづくり産業が培ってきた技術力を海外へ展開する仕事はとてもやりがいのあることではないかと思うようになり、次第にKFで働く自分の姿を想像するようになりました。

「KFで働きたい!」と思った頃には、何の迷いもなく応募していました。大企業からスタートアップへの転職なので大きなキャリアチェンジにはなりますが、新しいことにチャレンジしたい想いの方が強く、特に不安は感じていませんでした。

現在KFでは、どのようなことを担当されていますか?

ビジネス部門に所属し、主にPlant Technology領域の事業開発に携わっています。具体的には国内外のフュージョン関係の研究機関やスタートアップに対し、KFが持つ製品や知見や経験を活かした設計や機器・システムなどのエンジニアリングソリューションの提供を行っています。契約締結に向けて、法務担当のメンバーと連携したり、納品をする場合は品質管理担当のメンバーとも連携したりします。

また、技術開発にも関わっています。当社は協力会社と連携してフュージョンプラント向けの材料開発や機器の開発を進めていますので、協力会社との密なコミュニケーションが欠かせません。そのため、当社が求める仕様を備えた機器を協力会社がスムーズに製造できるように、協力会社の担当者と当社のエンジニアをつなぐ橋渡し役を担っています。一方的に依頼するのではなく当社エンジニアとともに伴走することで、協力会社とも良好な関係を築くことができていますし、それがゆくゆくは重要なサプライチェーンの構築にもつながると考えています。

日々の業務の中で大変に感じることや、やりがいを感じることはありますか?

顧客、協力会社、そして社内のメンバーと業務上関わるステークホルダーが多岐にわたるので、誰に、どういった情報を、いつ共有するべきなのか、を常に考えて行う必要があります。実際にやってみないと分からない部分も多く、状況に応じて都度変わるので大変さはありますが、日々実践して次回に向けた改善を繰り返すことで感覚を掴めてきていると思います。

KFに入社してから常にステークホルダーとの関わり方を意識するようにしてきたので、今では案件が発生する度に「どういうプロセスで案件を進めて、誰を巻き込む必要があるのか」といったロードマップを自然と引くことができるようになってきたと思います。まだまだ学ぶことは多いですが、複数のステークホルダーが関わる調整の難しい案件を円滑に進められたときには成長を感じますね。

他には、顧客や協力会社に説明する上でKFの技術を理解する必要があるのですが、こちらも一筋縄ではいきません。

例えば、フュージョンエネルギープラントの高温や高磁場といった環境を模擬し、発電技術の実証を統合的に行う「UNITY-1」には、最大1,000℃もの高温に耐えうる材料や液体金属を流す配管に加え、フュージョンエネルギーの商用化に欠かせない様々な機器やシステムが用いられており、協力会社とそれらの開発を進めています。社内のエンジニアから得た技術に関する設計情報などを協力会社にわかりやすく伝える必要があるので、当然ながらまずは自分自身が技術のことを深く理解していなければなりません。

インターネットで検索したりAIに聞いたりしても欲しい情報が得られず行き詰まることもありますが、エンジニアとの距離が近く、わからないことを直接聞きやすい当社の環境に助けられています。質問すると、答えだけでなくエンジニア目線で協力会社に伝える際のポイントまで教えてくれるので、非常にありがたいですね。

最終的に形になった機器を当社のエンジニアや協力会社の方々が嬉しそうに眺めている姿を見ると、私も嬉しく思います。

最後に、川本さんがKFで達成したいことについて教えてください。

当社の成長をビジネス面からリードしていきたいです。

先日、社内の全社イベント「Annual Townhall」が開催され、経営層から中期経営戦略が共有されました。掲げられた目標を非常に野心的だと感じましたが、私たちなら必ず達成できると信じています。だからこそ私自身も成長し、高い視座と広い視野を持って当社の目標達成に大きく貢献していきたいと思います。

そしてフュージョンエネルギーが実現したときには、「KFがいなかったらフュージョンエネルギーの実現は10~20年遅れていたかもしれない」と言われるようになりたいですね。

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